ノーリフトケアに該当するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ノーリフトケアの基本は、介護者が患者さんを直接抱き上げたり持ち上げたりする行為を避け、福祉用具などを活用して負担を軽減することです。スライディングシートは、患者さんの体位変換や移動を、介護者の身体的負担を大幅に減らし、患者さんの皮膚への摩擦も軽減しながら安全に行うための代表的なノーリフト用具です。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者さんを直接抱き上げる行為は、介護者の身体的負担を増大させ、ノーリフトケアの原則に反します。正しくは:リフトやスライディングボードなどの福祉用具を活用し、抱き上げずに座位を調整します。選びやすい理由:すぐに患者さんの状態を整えたいという気持ちから、手で抱き上げてしまいがちです。混同注意:患者さんの快適性を優先するあまり、物理的な介入が避けられないと誤解しやすいです。
- 2. 患者さんを抱きかかえて移動させる行為は、介護者の腰部などへの負担が大きく、ノーリフトケアの理念に反します。また、患者さんを落下させるリスクも伴います。正しくは:移乗用リフトやスライディングボード、または移乗をサポートする福祉用具(例:移乗用ロボット)を用いて、身体的負担を軽減し安全に移動させます。選びやすい理由:移乗介助の際、時間短縮や手慣れているという理由で抱きかかえてしまいやすいです。混同注意:患者さんの身体状況が比較的良好な場合でも、抱きかかえる行為が安全であると誤解することがあります。
- 3. 正解。スライディングシートは、患者さんを直接持ち上げることなく、摩擦を減らして安全かつ容易に移動させるための福祉用具です。これは介護者の身体的負担を軽減し、患者さんの安楽性も高めるノーリフトケアの具体的な実践例です。
- 4. ボディメカニクスは介護者の身体的負担を軽減するための技術ですが、患者さんを直接持ち上げる行為が含まれる可能性があります。ノーリフトケアは、可能な限り人力のみでの持ち上げを避けることを目指します。正しくは:リフト、背上げ機能付きベッド、または背上げ用のクッションなどの福祉用具を積極的に活用し、人力での持ち上げを最小限に抑えます。選びやすい理由:ボディメカニクスも介護者の負担軽減に有効なため、ノーリフトケアと混同しやすいです。混同注意:ボディメカニクスはあくまで「身体の使い方」の技術であり、ノーリフトケアのような「用具の活用」による身体的持ち上げの回避とは、概念のレベルが異なります。
国試ポイント
ノーリフトケアの基本的な理念と、それを実践するための具体的な福祉用具の知識が問われています。直接的な人力での介助を避け、いかに用具を活用して安全かつ効率的に介助を行うかがポイントです。
混同注意
ボディメカニクスは介護者の身体負担軽減に役立つ技術ですが、ノーリフトケアとは目的達成のアプローチが異なります。ボディメカニクスは『身体の使い方』、ノーリフトケアは『用具の活用による身体的持ち上げの回避』と区別して理解することが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合は、ノーリフトケアにおける様々な福祉用具の具体的な使用場面や、それぞれの用具がどのような原理で介護負担を軽減するかを問う問題が出る可能性があります。
関連知識
移乗・移動介助に関する様々な福祉用具(リフト、スライディングボード、トランスファーシート、歩行器など)、介護者の腰痛予防対策、患者さんの安楽性を高めるための介助方法。