網膜剝離について正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
網膜剥離の最終診断には、剥離の有無や範囲、裂孔の位置などを直接確認するために眼底検査が必須です。また、網膜が物理的に刺激されることで、実際には光がないにもかかわらず光を感じる光視症は網膜剥離の前駆症状として特徴的であり、網膜への牽引が原因で生じます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。網膜剥離の最終的な診断確定には、眼底カメラや細隙灯顕微鏡を用いた眼底検査で、網膜の剥離の有無、範囲、裂孔の存在などを直接確認することが必須です。選びやすい理由:眼科疾患の診断において眼底検査は重要であり、網膜剥離の直接的な確認手段であるため、正しいと判断しやすいです。混同注意:他の眼科検査(視力検査、眼圧測定など)だけで診断が確定すると誤解されることがあります。
- 2. 正解。網膜が硝子体などによって物理的に刺激されると、光を感じる神経細胞が異常興奮し、実際には光がないにもかかわらず光が走るように見える光視症が現れることがあります。これは網膜剥離の重要な前駆症状の一つです。選びやすい理由:光視症は網膜剥離の代表的な初期症状であり、多くの患者が経験するため、知識として正しいと判断しやすいです。混同注意:飛蚊症(目の前に虫やゴミが飛んでいるように見える症状)も網膜剥離の前駆症状ですが、光視症とは原因が異なります。
- 3. 夜盲(暗い場所での見えにくさ)は網膜の機能、特に杆体細胞の機能低下によって起こる症状で、網膜剥離の初期症状ではありません。網膜剥離は視野欠損や視力低下が主な症状です。正しくは:初期症状として夜盲が挙げられるのは、網膜色素変性症などの網膜機能障害性疾患です。選びやすい理由:「見えにくさ」という漠然とした表現から、網膜剥離と関連があるように感じてしまう可能性があります。混同注意:網膜色素変性症やビタミンA欠乏症による夜盲と混同しやすいです。
- 4. 網膜剥離は、治療せずに放置すると黄斑部まで剥離が進行し、最終的には網膜の光受容細胞が不可逆的な損傷を受け、完全に視力を失う(失明)可能性があります。特に黄斑剥離は視力予後を悪化させます。正しくは:治療が遅れると、完全に視力を失う(失明)ことがあります。選びやすい理由:「完全に視力を失うことはない」という表現が、患者に希望を与えるような印象を与え、正しい選択肢のように感じられるかもしれませんが、医学的には誤りです。混同注意:緑内障などでゆっくりと視野が狭くなるケースと混同し、網膜剥離も進行が緩やかで失明に至らないと誤解する可能性があります。
- 5. 網膜剥離、特に裂孔原性網膜剥離は、加齢による硝子体の変性・液化が原因となることが多く、40代以降の中高年に多く発生します。若い年代では近視が強い場合に発生リスクが高まりますが、全体としては中高年での発生が多いです。正しくは:主に中高年の人に多く発生します。選びやすい理由:近視が強い若い人にも網膜剥離が見られるため、若い年代に多いと誤解しやすいです。混同注意:未熟児網膜症など、新生児や乳幼児期の網膜疾患と混同して、若い年代の疾患だと誤解することがあります。
国試ポイント
網膜剥離の診断方法(眼底検査)、主要な前駆症状(光視症、飛蚊症)、治療の緊急性、および一般的な好発年齢(中高年)について理解しておくことが重要です。
混同注意
夜盲(暗順応障害)は網膜剥離の初期症状ではなく、網膜色素変性症などの網膜の機能低下を伴う疾患でみられます。網膜剥離による視野欠損と、緑内障などによる視野狭窄は病態が異なります。
次に同じ論点が出たら
網膜剥離に関する問題が出た場合は、診断確定に必要な検査、典型的な自覚症状(前駆症状、進行期の症状)、治療の緊急性、好発年齢に注目して判断します。
関連知識
網膜剥離の主な種類には、裂孔原性網膜剥離、非裂孔原性網膜剥離(滲出性、牽引性)があります。治療は手術が基本で、早期の治療が視力予後を左右します。放置すると黄斑部剥離に至り、不可逆的な視力障害を引き起こす可能性があります。