止血後の線維素溶解(線溶)に関係するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
線溶(線維素溶解)は、形成されたフィブリン血栓を分解するシステムです。プラスミノゲンは、組織プラスミノゲン活性化因子(t-PA)などによって活性型プラスミンに変換され、このプラスミンがフィブリンを分解します。したがって、プラスミノゲンは線溶に直接関与する因子です。
選択肢ごとの解説
- 1. カルシウムイオンは血液凝固の過程で多くの凝固因子を活性化するために必要ですが、線溶(線維素溶解)の直接的な因子ではありません。正しくは:カルシウムイオンは血液凝固反応に必須ですが、線溶には直接関与しません。選びやすい理由:血液凝固と線溶は密接に関連しているため、血液凝固に重要なカルシウムイオンが線溶にも関与すると誤解されやすいかもしれません。混同注意:カルシウムイオンは凝固因子VIII, IX, X, XIの活性化やプロトロンビンからトロンビンへの変換に必要です。
- 2. フィブリノゲンはトロンビンの作用でフィブリンモノマーとなり、重合してフィブリンとなり血栓の主成分を形成します。線溶は形成されたフィブリンを分解する過程であり、フィブリノゲンはその分解される側の物質です。正しくは:フィブリノゲンはフィブリンの原料であり、線溶の対象となる物質です。選びやすい理由:フィブリノゲンは血栓形成に直接関わるため、線溶とも関連が深いと錯覚する可能性があります。混同注意:フィブリノゲンは凝固系の最終段階でフィブリンに変換されます。
- 3. 正解。プラスミノゲンは線溶系の主要なタンパク質であり、活性化されるとプラスミンとなり、フィブリンを分解して血栓を溶解します。正しくは:プラスミノゲンは線溶系の中心的な酵素であるプラスミンの前駆体です。選びやすい理由:線溶系の基本的なメカニズムを理解していれば、この選択肢が正しいと判断できます。混同注意:プラスミノゲンはプラスミンogenと呼ばれ、不活性な前駆体であることを示唆しています。
- 4. プロトロンビンは血液凝固系の主要なタンパク質であり、活性化されるとトロンビンとなり、フィブリノゲンをフィブリンに変換します。線溶には直接関与しません。正しくは:プロトロンビンはトロンビンの前駆体であり、血液凝固系の主要な因子です。選びやすい理由:プロトロンビンも血液凝固の重要な要素であるため、線溶との関連性を混同するかもしれません。混同注意:プロトロンビンはビタミンK依存性凝固因子の一つです。
- 5. セロトニンは主に血管収縮作用を持ち、血小板凝集を促進することで一次止血に関与します。線溶には直接関与しません。正しくは:セロトニンは血管収縮と血小板凝集に関与しますが、線溶には直接関連しません。選びやすい理由:血小板凝集も止血の一部であるため、線溶との関連性を誤解する可能性があります。混同注意:セロトニンは神経伝達物質としても知られています。
国試ポイント
本問題は、止血機構と線溶系の基本的な構成要素およびその役割を理解しているかを確認するものです。特に、血液凝固に関わる因子と線溶に関わる因子を明確に区別できる知識が求められます。
混同注意
血液凝固に関わるフィブリノゲンやプロトロンビンと、線溶に関わるプラスミノゲンの役割が混同されやすい点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
線溶系の活性化因子(t-PA, u-PA)や阻害因子(PAI-1, α2-プラスミンインヒビター)についても理解を深めると、より複雑な病態生理の理解につながります。
関連知識
止血機構は、血管収縮、血小板血栓形成(一次止血)、凝固系によるフィブリン血栓形成(二次止血)から成り立ちます。線溶系は、これらによって形成された血栓が役目を終えた後にこれを溶解し、血管の開通性を維持する重要な役割を担っています。