成人におけるバイタルサインで緊急に対応が必要なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
選択肢2の体温34.4℃は低体温を示します。成人の深部体温が35℃を下回る低体温は、意識障害、不整脈、呼吸抑制、血圧低下などの重篤な合併症を引き起こす可能性があり、生命に危険を及ぼすため、直ちに保温や加温などの緊急対応が必要です。他の選択肢は、一般的に成人において緊急性を要する異常値とは判断されにくい値です。
選択肢ごとの解説
- 1. 成人の正常な脈拍は60〜100回/分であるため、70回/分は正常範囲内であり、緊急性は低いと考えられます。正しくは:徐脈(50回/分未満)や頻脈(120回/分以上など)であれば緊急対応が必要な場合があります。選びやすい理由:他の選択肢と比べて、一見すると「正常そう」に見えるため。混同注意:患者の基礎疾患や普段の脈拍が考慮されないと、判断が難しい場合があります。
- 2. 正解。34.4℃は低体温に該当し、循環器系や神経系への重大な影響を及ぼす可能性があるため、緊急での対応が必要です。特に深部体温が35℃を下回る場合、重症度が高まります。
- 3. 成人の正常な呼吸数は一般的に12〜20回/分とされており、14回/分は正常範囲内です。緊急性は低いと考えられます。正しくは:呼吸数が25回/分以上(頻呼吸)や10回/分未満(徐呼吸)であれば緊急対応が必要です。選びやすい理由:他のバイタルサインに異常が見られない場合、単独では緊急性を判断しにくいです。混同注意:努力呼吸や呼吸困難の有無と混同しやすいですが、回数だけでは判断できません。
- 4. 130/80mmHgは高血圧予備群とされることもありますが、緊急で対応を要するレベルの異常血圧ではありません。特に、普段の血圧がこれに近い値であれば問題視されにくいです。正しくは:収縮期血圧が180mmHg以上、または拡張期血圧が120mmHg以上などの高血圧緊急症、あるいは著しい低血圧(収縮期血圧90mmHg未満など)であれば緊急対応が必要です。選びやすい理由:高血圧という言葉のイメージから、緊急性を感じやすいかもしれませんが、この値自体は直ちに対応が必要なレベルではありません。混同注意:高血圧性緊急症や脳卒中などと混同しやすいですが、その基準には達していません。
- 5. GCSの15点は、意識清明であることを示しており、神経学的にも問題がない状態です。緊急性は全くありません。正しくは:GCSの点数が低下している場合(例:13点以下、または急激な点数変化)は緊急対応が必要です。選びやすい理由:GCSという指標自体が重症度評価に使われるため、点数に意識が向きやすいですが、15点は正常値です。混同注意:他の意識レベル評価スケール(JCSなど)と混同したり、点数が低いと勘違いしたりする場合があります。
国試ポイント
バイタルサインの正常範囲と、緊急性を要する異常値(特に生命の危機に直結するような逸脱)を正確に識別できるかどうかが問われています。各バイタルサインの基準値を覚えるだけでなく、その値がなぜ緊急性を帯びるのか、その生理学的・病態生理学的な根拠を理解していることが重要です。
混同注意
各バイタルサインのわずかな変動と、緊急対応を要する明確な異常値を混同しやすい。特に、正常範囲ギリギリの値や、緊急性はないが高値・低値を示す値と、直ちに介入が必要な値の区別が問われます。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各バイタルサインの基準値だけでなく、「この値だとどのような生理的・病態生理学的変化が起き、なぜ緊急なのか」という理由まで掘り下げて判断できるか。複数のバイタルサインの組み合わせで、より緊急性が高まるケース(例:低血圧と頻脈の組み合わせ)なども考察できると良いでしょう。
関連知識
低体温の症状、原因、看護介入(保温、加温法、モニタリング)。ショック、心停止、意識障害など、バイタルサイン異常が引き起こす病態との関連。高体温、頻脈、徐脈、頻呼吸、徐呼吸、高血圧、低血圧、意識レベル低下などの各異常値と、それぞれに対する基本的な看護対応。