脳梗塞を最も早期に検出できる画像検査はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
脳梗塞の超急性期において、MRIの拡散強調画像(DWI)は、発症からわずか数分から数時間というごく早い段階で虚血による細胞毒性浮腫を検出し、脳梗塞病変を最も高感度に描出できる検査法です。これにより、迅速な治療介入が可能となります。
選択肢ごとの解説
- 1. シンチグラフィは、主に臓器の機能や血流を評価する核医学検査であり、脳梗塞の超急性期診断には通常用いられません。脳血流シンチは脳血流の評価に有用ですが、梗塞巣の直接的な検出にはMRIが優位です。正しくは:脳梗塞の超急性期診断にはMRIが最も有用です。選びやすい理由:血流の評価をするため、脳梗塞と関連があると感じるかもしれませんが、早期の梗塞巣そのものの検出にはMRIの方が感度が高いです。混同注意:脳血流の状態を評価する検査(SPECTなど)と、梗塞組織そのものを描出する検査(MRI拡散強調画像)の役割を混同する可能性があります。
- 2. 正解。MRIの拡散強調画像(DWI)は、発症数分から数時間以内に生じる細胞レベルでの水分子の拡散制限を捉えることができ、脳梗塞の超早期診断において最も高い感度と特異度を持つ検査です。
- 3. MRAは、脳血管の形態や狭窄・閉塞の有無を評価する検査であり、血管異常の検出には優れていますが、梗塞によって障害された脳組織そのものを直接的に早期検出するものではありません。梗塞の責任血管を特定するには有用ですが、梗塞巣の超早期診断の主役ではありません。正しくは:脳梗塞巣の超早期診断にはMRIの拡散強調画像が最も有用です。選びやすい理由:脳梗塞が血管の閉塞によって起こるため、血管の画像検査であるMRAが重要だと考えるかもしれませんが、MRAは血管の状態を見るものであり、脳組織の虚血性変化そのものを捉えるものではありません。混同注意:脳梗塞の原因となる血管病変の検出(MRA)と、虚血によって引き起こされた脳組織の変化の検出(MRI拡散強調画像)の目的を混同する可能性があります。
- 4. CTは脳出血の除外には非常に有用ですが、脳梗塞の超早期(発症から数時間以内)では虚血性変化を明確に捉えることが難しいです。数時間経過すると低吸収域として検出可能になりますが、MRIの拡散強調画像と比較すると診断能は劣ります。正しくは:脳梗塞の超早期診断にはMRIの拡散強調画像が最も有用です。選びやすい理由:脳卒中が疑われる患者で最初に実施されることが多い検査であるため、早期診断に有効だと勘違いしやすいですが、CTの役割は脳出血の鑑別や頭蓋内圧亢進の評価にあり、梗塞巣自体の超早期検出能力はMRIに劣ります。混同注意:脳卒中診療で最初に使われる検査であることと、脳梗塞の超早期診断能力が最も高い検査であることを混同する可能性があります。
国試ポイント
脳梗塞の診断における各画像診断法の役割と、特に超急性期における最も早期検出可能な検査法を理解しているかを問う問題です。MRI(特に拡散強調画像)の重要性がポイントとなります。
混同注意
CTとMRIの役割分担、特に超急性期における脳出血と脳梗塞の鑑別での使い分け。また、MRIの中でもT2強調画像、FLAIR、拡散強調画像など、それぞれの撮像法の特性と診断における意義。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、各画像検査が脳梗塞のどの時期に最も有用か、また脳出血など他の脳疾患との鑑別における各検査の役割を正確に理解しているかが問われると予想されます。特に、各撮像法の原理と臨床的意義を結びつけて理解することが重要です。
関連知識
MRIの拡散強調画像(DWI)は、細胞内の水分子の自由な動きが制限されることにより、信号が上昇する原理を利用しています。これにより、虚血によって細胞が障害され、細胞内外の水の移動が妨げられる超急性期の変化を捉えることができます。CTでは、発症から数時間以上経過しないと低吸収域として梗塞巣が描出されにくいです。