若年者よりも高齢者が熱中症を起こしやすい理由はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
高齢者では、加齢に伴い発汗機能の低下、皮膚血流量の減少、循環機能の低下など、自律神経による体温調節反応が全般的に低下します。これにより、体内の熱を効果的に放散できなくなり、高温環境下で体温が上昇しやすくなるため、熱中症のリスクが高まります。
選択肢ごとの解説
- 1. 高齢者では基礎代謝量が低下するため、熱産生量が増加するというよりは減少傾向にあります。熱産生量の増加は熱中症のリスクを高めますが、高齢者特有の生理的変化とは異なります。正しくは:熱産生量の増加
- 2. 高齢者では発汗機能の低下や皮膚血流量の減少により、熱放散量がむしろ減少します。熱放散量の増加は体温を下げる方向に働くため、熱中症を起こしにくくします。正しくは:熱放散量の増加
- 3. 正解。高齢者では、発汗機能や皮膚血管の拡張反応など、自律神経を介した体温調節機能が全般的に低下しています。これにより、高温環境下での体温上昇を効果的に抑制できなくなり、熱中症のリスクが高まります。選びやすい理由:他の選択肢も体温調節に関連するが、自律性体温調節反応の低下は高齢者の熱中症リスク増加の主要なメカニズムの一つであるため、正確な記述である。混同注意:熱産生や熱放散の量的変化と混同しやすいが、これは調節機能そのものの低下を指す。
- 4. 熱中症は体温調節中枢のセットポイントが低下するのではなく、外部からの熱負荷や体内の熱産生過剰により、セットポイントを超えて体温が上昇し、調節機能が破綻することで発生します。セットポイントが低下すれば、体温が低い状態を維持しようとするため、熱中症とは直接関係ありません。正しくは:視床下部の体温調節中枢のセットポイントの低下
国試ポイント
高齢者の生理的変化と熱中症発症メカニズムの関連性を理解しているか問う問題です。特に、体温調節機能の低下が重要なポイントとなります。
混同注意
熱産生や熱放散といった単一の生理現象の変化と、体温調節システム全体の機能低下を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
高齢者の体温調節機能が低下していることを踏まえ、具体的な看護介入(水分補給の促し、環境調整、体調観察)をどのように計画するか。
関連知識
高齢者の脱水リスク、水分摂取量の減少、腎機能の低下、基礎疾患(心疾患、糖尿病など)の併存が熱中症リスクをさらに高める要因となる。また、環境因子(湿度、気温、日差し)や社会的因子(独居、経済状況)も複合的に影響する。