急性骨髄性白血病の検査所見で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
急性骨髄性白血病(AML)では、骨髄中の造血幹細胞が癌化し、幼若な骨髄系細胞が無制限に増殖します。これらの幼若細胞は成熟することができず、末梢血中には未熟な芽球と成熟した好中球などがみられる一方で、その間の段階の細胞(前骨髄球、骨髄球、後骨髄球など)が極端に少なくなるため、「白血病裂孔」と呼ばれる特徴的な所見が観察されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性骨髄性白血病では、異常な白血病細胞が骨髄を占拠し正常な造血が抑制されるため、赤血球の産生が低下し、貧血(赤血球数の減少)が起こるのが一般的です。正しくは:赤血球の数が減少する(貧血となる)。選びやすい理由:白血病は血液の病気であるため、一見すると全ての血球成分が増加すると誤解しやすいため。混同注意:赤血球増多症(多血症)や慢性骨髄増殖性疾患における初期の赤血球増多。
- 2. 急性骨髄性白血病では、正常な巨核球系の造血も抑制されるため、血小板の産生が低下し、血小板減少が起こるのが一般的です。これにより出血傾向が見られます。正しくは:血小板の数が減少する。選びやすい理由:一部の慢性骨髄増殖性疾患(本態性血小板血症など)では血小板が増加するため、混同してしまいやすい。混同注意:慢性骨髄性白血病や本態性血小板血症などの血小板増多を伴う疾患。
- 3. 正解。急性骨髄性白血病では、骨髄系細胞が未熟な芽球の段階で異常増殖し、成熟への分化が障害されます。そのため、末梢血中には未熟な芽球と成熟した白血球が存在し、その中間段階の細胞が著しく少ない状態となり、「白血病裂孔」として観察されます。選びやすい理由:この選択肢は正しい記述であり、白血病の病態を理解していれば適切に選択できます。
- 4. ミエロペルオキシダーゼ(MPO)反応は、骨髄系芽球の細胞質顆粒に含まれる酵素を検出する細胞化学染色であり、急性骨髄性白血病の診断において陽性となるのが一般的です。したがって、陰性であることは通常ありません。また、陽性細胞のパーセンテージが示されていないため、情報として不十分です。正しくは:ミエロペルオキシダーゼ反応が陽性である(一般的に3%以上の芽球が陽性となる)。選びやすい理由:MPO反応が急性骨髄性白血病の診断に用いられることは知っていても、その結果が陽性か陰性か、また閾値が曖昧な場合に迷いやすい。混同注意:急性リンパ性白血病ではMPO反応は陰性であること。
国試ポイント
急性白血病の病態生理と検査所見の特徴、特に白血病裂孔の意味を理解する。
混同注意
白血病裂孔は急性白血病に特徴的な所見であり、慢性白血病では様々な分化段階の細胞が認められ、裂孔は観察されません。反応性白血球増多(類白血病反応)では、成熟白血球が増加し、白血病裂孔は通常見られません。
次に同じ論点が出たら
急性白血病の問題が出たら、まず末梢血・骨髄の塗抹標本で芽球の存在と白血病裂孔の有無を確認し、成熟細胞とのバランスに注目して判断する。
関連知識
AMLの診断には、末梢血・骨髄検査で芽球の増加(20%以上)と白血病裂孔の確認、細胞表面マーカー、遺伝子検査、細胞化学染色(ミエロペルオキシダーゼ反応など)が重要です。ミエロペルオキシダーゼ反応は骨髄系細胞の芽球で陽性を示し、リンパ系芽球との鑑別に有用です。