胸管について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
胸管は体内で最も大きなリンパ管であり、下半身、腹部臓器、左胸部、左上肢、頭頸部の左半分からのリンパ液を集めます。その起始は腹部の第1~第2腰椎の高さに位置する「乳び槽」であり、ここから上行して横隔膜を貫通し、胸腔に入ります。最終的には左鎖骨下静脈と左内頸静脈が合流する左静脈角に開口します。選択肢1は鎖骨下『動脈』が誤り、選択肢2は『右側』が誤り、選択肢3は毛細リンパ管ではなく、太いリンパ本幹であることが誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 胸管が集めたリンパ液は、左鎖骨下『静脈』に流入します。動脈ではありません。正しくは:リンパ液を集めて左鎖骨下静脈に流入する。選びやすい理由:リンパ液が鎖骨下部に流入する点は合っているため、動脈と静脈の区別が曖昧だと誤って選択しやすい。混同注意:鎖骨下動脈と鎖骨下静脈の解剖学的区別、およびそれぞれの血管が担当する機能。
- 2. 胸管は主に左側のリンパ本幹(例: 左頸リンパ本幹、左鎖骨下リンパ本幹、左気管支縦隔リンパ本幹)と合流し、最終的に左静脈角(左内頸静脈と左鎖骨下静脈の合流部)に注ぎます。右側の頸リンパ本幹は右リンパ本幹(右リンパ管)に流入します。正しくは:左側の頸リンパ本幹と結合することがある。選びやすい理由:リンパ本幹という言葉から、どこかのリンパ管と合流するという一般的な認識は正しいと錯覚しやすい。混同注意:右リンパ本幹(右リンパ管)が回収する領域と、胸管が回収する領域の区別。
- 3. 胸管はリンパ本幹の一つであり、全身の多くのリンパ液を集める『太い管』です。毛細リンパ管網は、組織液を回収する最も細いリンパ管の始まりの部分を指します。正しくは:複数のリンパ本幹が合流して形成される太いリンパ管である。選びやすい理由:リンパ管系のイメージとして『網』という言葉から連想しやすいが、胸管は末端の毛細管ではない。混同注意:毛細リンパ管と、それらが合流してできるリンパ管や胸管との解剖学的階層。
- 4. 正解。胸管は、腹部の大動脈の右側、第1〜第2腰椎の高さにある拡張部である乳び槽(L. Cisterna chyli)から上行を開始します。乳び槽は下半身や消化管からのリンパ液(特に脂肪吸収後の乳び)を集めます。選びやすい理由:特になし。正しい記述であるため、知識があれば選択しやすい。混同注意:胸管の始まりの場所や、その役割について。
国試ポイント
胸管の起始部位、流入血管、およびその解剖学的特徴に関する正確な知識を問う。特にリンパ循環の経路と主要な構造の名称を理解しているかが重要。
混同注意
胸管と右リンパ本幹(右リンパ管)が回収する領域の区別。動脈と静脈の区別。
次に同じ論点が出たら
この論点が再度出題される場合、胸管が合流する血管(静脈角)、胸管の走行、あるいは右リンパ本幹(右リンパ管)が回収する領域(右上肢、右胸部、頭頸部の右半分)との比較が問われる可能性が高い。
関連知識
リンパ系の主要な構成要素(リンパ管、リンパ節、リンパ本幹、胸管、右リンパ本幹)、リンパ液の組成と機能、リンパ循環の経路。