嚥下反射に伴って起こるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
嚥下反射は、食べ物や飲み物を口腔から食道へと送り込む複雑な反射運動です。この過程で誤嚥を防ぐために様々な生理的変化が起こります。特に重要なのは喉頭の挙上であり、これによって喉頭蓋が倒れて気管の入り口を覆い、同時に声門が閉鎖されます。甲状腺は喉頭の前下方、甲状軟骨の下に位置しているため、喉頭が挙上するのに伴い、甲状腺も一緒に上へと引き上げられ、その後下降します。この甲状腺の上下動は、嚥下反射の際に頸部で視認できる重要なサインの一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。嚥下反射では、食物が気管に入り込むのを防ぐため、喉頭全体が挙上し、その後元の位置に戻ります。甲状腺は喉頭の前面下部に位置しているため、喉頭の動きに連動して甲状腺も上下に動くのが確認できます。特に、喉頭隆起(のど仏)の挙上・下降として観察される動きの一部です。
- 2. 肝臓は横隔膜の下に位置する消化器であり、主に呼吸運動に伴ってわずかに上下動しますが、嚥下反射と直接関連して目立った上下動を起こすことはありません。正しくは:肝臓は嚥下反射とは直接関連して上下に動くことはありません。嚥下反射は主に口腔、咽頭、喉頭、食道といった上部消化管と呼吸器系の協調運動です。選びやすい理由:消化器系の器官であるため、嚥下に関連する消化器の動きと混同する可能性があります。混同注意:呼吸運動による肝臓の動きや、消化器全体の働きと嚥下反射を混同する可能性があります。
- 3. 嚥下反射が起こる際には、誤嚥を防ぐために声門は閉鎖されます。声門が開いているのは主に呼吸時や発声時です。正しくは:嚥下反射時には、食物が気管に入らないように声門が閉鎖されます。選びやすい理由:「開閉」という動作自体は嚥下に関連するように感じられるかもしれませんが、方向が逆です。混同注意:呼吸時の声門の開放と、嚥下時の声門の閉鎖を混同する可能性があります。
- 4. 嚥下反射の初期段階では、食塊を咽頭に送り込むために舌全体、特に舌根は挙上し、後方へ移動します。沈下するのではなく、食塊を押し出すような動きをします。正しくは:嚥下反射の初期段階では、食塊を咽頭へ送り込むために舌根が挙上し、後方へ移動します。選びやすい理由:「飲み込む」という行為から、物を下へ押し下げるイメージと結びつけてしまい、舌が下がると思い込む可能性があります。混同注意:舌による食塊の押し出し運動と、沈下する動きを混同する可能性があります。
国試ポイント
看護師国家試験では、嚥下反射の生理学的機序、特に誤嚥防止に関わる身体の動きや、関連する解剖学的部位の機能について頻繁に問われます。喉頭挙上、声門閉鎖、喉頭蓋の閉鎖といった一連の動きを理解しているかが重要です。
混同注意
嚥下時の身体の動きと、呼吸時や発声時などの他の生理機能における動きを混同しやすいです。特に、挙上と沈下、開放と閉鎖といった対義的な概念で問われることがあります。
次に同じ論点が出たら
この問題で理解を深めたら、嚥下反射に関わる神経(迷走神経、舌咽神経など)や、嚥下障害のアセスメント方法、具体的な看護ケア(体位、食事介助方法など)について学習すると良いでしょう。また、高齢者の嚥下機能低下についても問われる可能性があります。
関連知識
嚥下の3つの期(口腔期、咽頭期、食道期)ごとの特徴的な動き、誤嚥のメカニズムと予防策、嚥下障害のアセスメント(誤嚥徴候、スクリーニング方法など)、および嚥下訓練や嚥下食の知識も関連知識として重要です。