目的とする効果が安定して発現するまでに最も時間がかかる薬はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリンなど)のバランスを調整することで効果を発揮しますが、その作用機序は複雑で、効果が安定して発現するまでには通常2〜4週間、場合によっては1ヶ月以上を要します。これは、脳内の神経細胞の受容体数の変化や、神経回路の再構築に時間が必要なためです。他の選択肢の薬は、比較的短時間で効果が発現します。
選択肢ごとの解説
- 1. 睡眠導入剤は、通常服用後30分から1時間程度で効果が現れ、入眠を促します。即効性が求められる薬です。正しくは:睡眠導入剤は即効性があり、比較的短時間で効果が現れます。選びやすい理由:精神疾患治療薬であるため、効果発現に時間がかかると誤解される可能性もありますが、これは作用機序が異なります。混同注意:抗不安薬や抗精神病薬の一部は比較的速効性がありますが、睡眠薬と同様に入眠効果はすぐに現れます。
- 2. 鎮痛薬は、服用後30分から1時間程度で痛みを和らげる効果が発現します。効果の持続時間は薬の種類によって異なりますが、比較的速やかに作用します。正しくは:鎮痛薬は比較的短時間で効果が発現し、速やかに痛みを緩和します。選びやすい理由:慢性的な痛みに使用されることもありますが、個々の服用における効果発現は速いです。混同注意:解熱薬も同様に比較的速効性があります。
- 3. 正解。抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを調整することで効果を発揮しますが、その効果が安定して現れるまでには通常、数週間から1ヶ月以上かかることが多いです。これは、脳内の神経回路が再構築されるまでに時間を要するためです。
- 4. 抗血栓薬(抗凝固薬や抗血小板薬など)は、種類にもよりますが、服用後数時間から数日以内に効果が発現し始めます。特に急性期治療で用いられる場合は、より速やかな効果発現が求められます。正しくは:抗血栓薬は、服用後数時間から数日以内に効果が発現し始めます。選びやすい理由:長期的に服用されることが多い薬ですが、個々の服用における効果発現は抗うつ薬ほど遅くありません。混同注意:高血圧治療薬など、長期服用で効果が安定する薬もありますが、抗血栓薬の直接的な作用は比較的速いです。
国試ポイント
薬物の作用機序と効果発現時間に関する基本的な知識が問われています。特に精神科領域の薬物は効果発現に時間がかかるものが多いという特徴を理解しているかが重要です。
混同注意
精神疾患治療薬の中には、即効性のある抗不安薬や抗精神病薬(急性期)もあり、すべての精神科薬が効果発現に時間がかかると誤解しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各薬物の主要な作用機序と、それに基づく効果発現までの時間(即効性、数時間〜数日、数週間〜数ヶ月)を正確に判断できるかを確認します。
関連知識
薬物の半減期、初回通過効果、血中濃度推移、薬力学、薬物相互作用。特に、効果発現に時間を要する薬物(例:抗うつ薬、一部の甲状腺ホルモン薬、骨粗鬆症治療薬の一部など)と、即効性が求められる薬物(例:ニトログリセリン、アドレナリン、インスリンなど)の区別。