全介助が必要な臥床患者の口腔ケアで適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
口腔ケアにおいて、特に全介助が必要な臥床患者の場合、誤嚥防止は最も重要な課題の一つです。スポンジブラシに含ませる水分量を適切に管理することは、誤嚥のリスクを減らしつつ、口腔内の汚れを効果的に清掃するために不可欠な基本手技です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。スポンジブラシに含ませた水分を適切に絞ることで、誤嚥のリスクを最小限に抑えつつ、口腔内の汚れを効果的に除去できます。水分の多すぎは誤嚥を招き、少なすぎは清掃効果を低下させます。
- 2. 頸部を後屈させる体位は、気道が開きやすくなる反面、食道も広がり、唾液や口腔内の水分が気管に入りやすくなり、誤嚥のリスクが著しく高まります。特に全介助が必要な臥床患者では避けるべきです。正しくは:誤嚥を避けるため、頸部はやや前屈させるか、側臥位でケアを行うのが適切です。可能であれば、半坐位で顎を引いた姿勢が理想的です。選びやすい理由:口腔内が見やすくなるため、一見効率的に思えるかもしれませんが、患者の安全(誤嚥防止)が最優先です。混同注意:心肺蘇生時の気道確保の体位(頭部後屈あご先挙上)と混同しやすいですが、口腔ケアでは誤嚥防止が主目的です。
- 3. 口腔内が乾燥すると、不快感が生じるだけでなく、唾液による自浄作用や抗菌作用が失われ、口臭の悪化、粘膜の損傷、感染リスクの増大につながります。口腔内は適度な湿潤状態を保つことが重要です。正しくは:口腔ケア後は、口腔内を適度に湿潤させ、必要に応じて保湿剤(ジェルやスプレー)を使用し、乾燥を防ぐべきです。選びやすい理由:「清潔にする=乾燥させる」と誤解されがちですが、口腔内の生理機能には湿潤が不可欠です。混同注意:皮膚のケアで患部を乾燥させることと、口腔粘膜のケアを混同しやすいです。
- 4. 舌の表面は非常にデリケートな粘膜で覆われています。強く擦りすぎると、舌乳頭を傷つけたり、痛みや出血を引き起こしたりする可能性があります。舌苔の除去は、専用の舌ブラシやスポンジブラシで優しく行うべきです。正しくは:舌苔の除去は、舌ブラシやスポンジブラシを使い、舌の奥から手前に向かって、軽い力で数回優しく掻き出すように行います。選びやすい理由:汚れをしっかり除去するためには力を入れる必要がある、と考えるかもしれません。混同注意:歯のブラッシングのように多少の力を加えても良いという認識と、舌のケアを混同しやすいです。歯のエナメル質と舌の粘膜では硬さが全く異なります。
国試ポイント
全介助が必要な臥床患者に対する口腔ケアにおける『安全確保(特に誤嚥防止)』と『効果的なケア』の両立が問われています。体位、使用器具の準備と操作、そして口腔内の生理機能に関する知識が重要視されます。
混同注意
誤嚥防止のための体位(頸部後屈と側臥位・前傾)、口腔内の湿潤と乾燥の必要性、清掃時の適切な力加減(歯と舌)、これらが特に混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、まず『患者の安全(特に誤嚥防止)』が最優先されているかを確認します。その上で、『効果的かつ快適なケア』が両立できているかを見極めます。体位、器具の準備、手技のそれぞれにおいて誤嚥のリスクを増大させたり、粘膜を損傷したりする選択肢は誤りとなります。
関連知識
誤嚥性肺炎の予防策、嚥下機能に応じた口腔ケアの実施、適切な体位の選択(半坐位、側臥位)、口腔保湿剤の活用、様々な口腔ケア用品の種類とその適切な使用法、舌ブラシの正しい使い方。