CO2ナルコーシスの症状で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
一酸化炭素(CO)はヘモグロビンと結合しやすく、酸素の約200~250倍の親和性を持つため、体内の酸素運搬能力が著しく低下します。特に酸素消費量の多い脳は、この酸素欠乏の影響を強く受け、頭痛やめまいなどの初期症状から、進行すると錯乱、昏睡といった意識障害、すなわちナルコーシス状態に至ります。したがって、意識障害はCOナルコーシスの中核的な症状です。
選択肢ごとの解説
- 1. 一酸化炭素は無色無臭であり、直接的な気道刺激は少ないため、咳は一酸化炭素中毒、特にナルコーシス状態の主要な症状とは言えません。正しくは:一酸化炭素中毒の初期症状としては、頭痛、めまい、吐き気などが一般的です。選びやすい理由:呼吸器系の症状と誤解されやすいですが、一酸化炭素は刺激性のガスとは性質が異なります。混同注意:刺激性ガス(例:塩素ガス、アンモニア)による気道刺激症状。
- 2. 重度の一酸化炭素中毒では、心臓への酸素供給不足により不整脈や心筋虚血が起こる可能性はありますが、直接的に徐脈が主要な症状として現れることは稀です。むしろ、初期には交感神経の刺激により頻脈となることもあります。正しくは:心臓への影響はありますが、COナルコーシスの主要な症状は意識障害です。選びやすい理由:心臓への影響があるため、循環器系の変化を連想しやすいですが、徐脈は一般的ではありません。混同注意:低体温や特定の薬剤による徐脈。
- 3. 浮腫は一酸化炭素中毒の直接的な症状ではありません。重症化し、臓器障害が進行した結果として、まれに全身性の浮腫や脳浮腫が生じる可能性はありますが、ナルコーシス状態の主要な症状とは言えません。正しくは:浮腫はCO中毒の直接的な主要症状ではありません。選びやすい理由:重症な病態では全身状態が悪化し、様々な症状が出ると考えるかもしれませんが、浮腫は特異的ではありません。混同注意:腎不全、心不全、肝硬変などによる浮腫。
- 4. 正解。一酸化炭素はヘモグロビンと強く結合し、酸素の運搬を阻害することで全身、特に酸素消費量の多い脳への酸素供給が著しく低下します。脳の酸欠状態は、頭痛、めまいから始まり、最終的には意識レベルの低下、錯乱、昏睡といった意識障害を引き起こし、これが「ナルコーシス」の中核的な症状です。
国試ポイント
一酸化炭素中毒の病態生理、特に酸素運搬阻害による脳への影響とその症状(意識障害)を正確に理解しているかを問う問題です。初期症状から重症度に応じた症状の変化を把握しておくことが重要です。
混同注意
他のガス中毒(例:青酸中毒、硫化水素中毒)による意識障害との鑑別や、脳血管障害、低血糖など他の原因による意識障害との鑑別。これらの鑑別には、原因物質の特定や血液検査(カルボキシヘモグロビン値)が重要になります。
次に同じ論点が出たら
もし次回同じ論点が出題された場合、一酸化炭素中毒の初期症状(頭痛、めまい、吐き気)や、重症化した場合の合併症(遅発性神経精神症状、心筋障害)について問われる可能性があります。また、治療法(高濃度酸素吸入、高圧酸素療法)の適応や看護についても確認しておきましょう。
関連知識
一酸化炭素中毒の発生源(不完全燃焼、密閉空間など)、カルボキシヘモグロビン(COHb)の形成と酸素解離曲線への影響、一酸化炭素中毒の重症度分類、主な治療法(高濃度酸素吸入、高圧酸素療法)、中毒による後遺症(遅発性神経精神症状)。