高齢者の活動と休息のリズムの調整について最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
午前中に日光を浴びることは、体内時計(概日リズム)をリセットし、夜間のメラトニン分泌を促進することで、睡眠・覚醒リズムを整えるために最も効果的な方法です。高齢者では、加齢に伴い概日リズムの調整が困難になる傾向があるため、特に重要視されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。午前中に日光を浴びることは、体内時計の調整に最も効果的で、これによって夜間の睡眠の質が向上し、活動と休息のリズムが整いやすくなります。特に高齢者では、概日リズムの同調が若年者に比べて弱まるため、意識的な日光浴が重要です。
- 2. 入浴は体温を一時的に上昇させ、その後下降することで自然な眠気を誘う効果がありますが、昼食直後の入浴は消化器系への負担や、活動と休息のリズム調整という観点では最も適切な選択肢ではありません。夕方から就寝前に入浴する方が睡眠導入に効果的とされています。正しくは:入浴は就寝の1~2時間前に行うことで、深部体温の下降を利用して睡眠導入を促す。選びやすい理由:入浴がリラックス効果をもたらし、休息に繋がるという漠然としたイメージから選びやすい。混同注意:入浴によるリラックス効果と、体内時計の調整効果の区別。
- 3. 高齢者における短い昼寝(20~30分程度)は、午後の活動性を高め、夜間の睡眠に悪影響を与えない場合があります。しかし、長時間の昼寝は夜間の不眠を引き起こす可能性があるため、一概に避けるべきとは言えません。活動と休息のリズム調整の最優先事項ではありません。正しくは:昼寝をする場合は、夕方前までに20~30分程度の短時間にとどめるよう指導する。選びやすい理由:昼寝が夜間の睡眠の妨げになるという一般的な認識から選びやすい。混同注意:適切な昼寝と不適切な昼寝の区別。
- 4. 就寝前の過度な水分摂取は、夜間頻尿の原因となり、睡眠中断を招くため、休息の質を低下させます。脱水を避けるための適度な水分摂取は必要ですが、多量に摂取するのは避けるべきです。正しくは:就寝前の水分摂取は控えめにし、夜間頻尿による睡眠中断を避ける。選びやすい理由:脱水予防の重要性を認識しているため、水分摂取が健康に良いというイメージから選びやすい。混同注意:日中の適切な水分摂取と、就寝前の過剰な水分摂取の区別。
国試ポイント
高齢者の睡眠・覚醒リズムの調整における、概日リズム(体内時計)の役割と、それを調整するための具体的な方法(特に光の影響)に関する理解が問われています。また、他の選択肢が高齢者の休息に悪影響を及ぼす可能性や、不適切であることを判断する能力も求められます。
混同注意
高齢者の睡眠習慣に関する一般常識と、生理学に基づいた体内時計の調整メカニズムとの混同。特に「昼寝」や「入浴時間」については、一概に良い・悪いとは言えない側面があり、具体的な条件付けが重要となる点を意識しないと誤りやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、まず『概日リズムの調整』というキーワードと、それに最も影響を与える『光』の要素に着目できるかを確認する。次に、他の選択肢が高齢者の生理的・生活的な側面から見て、どのような影響を及ぼすかを多角的に評価できるかがポイントとなる。
関連知識
概日リズム、メラトニン、セロトニン、睡眠覚醒リズムの生理学、高齢者の睡眠障害の特徴、非薬物療法による睡眠改善策。