加齢による咀嚼・嚥下障害の特徴で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
高齢者では、加齢に伴う神経機能や筋力の低下により、咳反射が鈍化します。これにより、誤嚥が発生しても咳き込んで排出する能力が低下し、誤嚥性肺炎のリスクが増大します。これは高齢者の嚥下障害の重要な特徴であり、看護ケアにおいて注意すべき点です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。加齢により、喉頭への食物の誤嚥を感知する咳嗽反射は鈍化し、誤嚥性肺炎のリスクを高めます。これは高齢者の咀嚼・嚥下障害の典型的な特徴です。
- 2. 加齢による咀嚼能力の低下や唾液分泌の減少により、口腔内の自浄作用が低下するため、食後の残渣物はむしろ増加しやすくなります。正しくは:口腔内の残渣物が増加する。選びやすい理由:口腔内の清潔が保たれることを期待する誤解から選んでしまう可能性があります。混同注意:若年者の健康な状態での自浄作用と混同しやすいです。
- 3. 加齢により唾液腺の機能が低下し、分泌される唾液量は減少します。また、残る唾液は粘性が高まる傾向があり、口腔乾燥感や食物の塊形成(食塊形成)の困難につながります。正しくは:唾液の分泌量が減少し、粘稠度が増す傾向がある。選びやすい理由:加齢による全身の分泌機能低下から、一律にサラサラになるというイメージを持つかもしれません。混同注意:薬剤性口腔乾燥など、他の要因による唾液の質的変化と混同する可能性があります。
- 4. 加齢により嚥下筋群の協調運動が低下し、特に輪状咽頭筋の弛緩不全などが起こりやすくなるため、食道入口部の開大はむしろ困難になる傾向があります。正しくは:食道入口部の開大が円滑でなくなる(開大不全を起こしやすくなる)。選びやすい理由:嚥下運動全体がスムーズに進むことを期待する誤解から選んでしまうかもしれません。混同注意:若い人の健康な嚥下機能と混同しやすいです。老化による筋肉や神経の機能低下を見落とすことがあります。
国試ポイント
高齢者の生理的変化、特に嚥下機能の低下とそれに伴うリスクについての理解が問われています。誤嚥性肺炎予防のための基礎知識として重要です。
混同注意
加齢による身体機能の全般的な低下を、全て同じ方向性で捉えてしまいがちです。特に唾液の質や口腔内の状態については、一見すると直感と異なる変化があるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、嚥下に関連する各器官(口腔、咽頭、喉頭、食道)の加齢による機能変化と、それに伴う具体的な症状やリスク(例:食塊形成不全、咽頭残留、喉頭挙上不全、食道入口部開大不全、誤嚥、窒息)を詳細に確認する必要があります。
関連知識
誤嚥性肺炎、サルコペニア、口腔ケア、嚥下訓練、嚥下調整食、ムセのメカニズム、輪状咽頭筋機能不全。