高齢者の看護において目標志向型思考を重視する理由で最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
高齢者看護において目標志向型思考を重視する最も大きな理由は、単なる疾患治療や身体機能維持に留まらず、対象者一人ひとりの生活の質(QOL)を向上させ、その人らしい豊かな人生を支えるケアを実践するためです。目標を明確に設定することで、多角的な視点から個別のニーズに対応した計画的な支援が可能になります。
選択肢ごとの解説
- 1. 目標志向型思考は疾患の治癒促進に寄与する場合もありますが、高齢者看護においてはより包括的な視点が必要です。疾患の治癒は短期的な目標になりがちで、高齢者の複雑なニーズには十分ではありません。正しくは:高齢者看護の目標は疾患の治癒だけでなく、生活の質の向上やADLの維持・向上など多岐にわたります。選びやすい理由:病気の治療は看護の重要な側面であるため、正しい選択肢のように感じやすいです。混同注意:疾患治療中心のアプローチと、高齢者全体の生活を支えるアプローチとの混同。
- 2. 老化現象の進行抑制は高齢者看護の重要な側面ですが、目標志向型思考の最も広範な理由としては不十分です。進行を完全に抑制することは困難であり、目標はADL維持やQOL向上に置かれることが多いです。正しくは:老化現象の進行を抑制するだけでなく、その中でもその人らしい生活を送れるように支援することが目標となります。選びやすい理由:アンチエイジングは一般的な関心事であり、健康的な生活の維持に関連するため、選びやすいかもしれません。混同注意:特定の生理的側面への介入と、包括的な生活支援の混同。
- 3. 目標志向型思考は、看護過程の全体を構造化する上で有効ですが、その主たる目的は病態関連図の作成効率化に限定されるものではありません。病態関連図は思考ツールの一部であり、目標志向型思考はケアの方向性全体を決定します。正しくは:目標志向型思考は、看護過程全体の計画・実行・評価を効果的に進めるために重要であり、病態関連図の作成はその一環に過ぎません。選びやすい理由:看護過程の計画段階で図を作成することがあるため、関連性があるように見えます。混同注意:看護過程の一部としてのツールと、思考様式そのものの目的との混同。
- 4. 正解。高齢者の看護では、単に病気を治すだけでなく、残された人生の質(QOL)を最大限に高め、その人らしい生活を継続できるよう支援することが重要です。目標志向型思考は、この包括的な視点から、個々の高齢者の価値観や希望に基づいた個別化されたケア計画を立て、実行し、評価するために不可欠です。
国試ポイント
高齢者看護の基本的な理念と、それに合致する看護実践の考え方(目標志向型思考の目的)を問う問題です。単一の疾患治療に留まらない、全人的・生活中心のアプローチが理解できているかがポイントとなります。
混同注意
短期的な治療目標や身体的側面に特化した目標と、高齢者看護における長期的な生活の質や尊厳を重視する包括的な目標との区別が曖昧だと間違えやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、高齢者看護の理念として「単に病気を治すだけでなく、その人らしい生活の継続やQOL向上を支援する」という視点が選択肢に含まれているかをまず確認する。また、目標志向型思考が何を最終的な目的にしているかを問う設問では、個別性や全人的ケアといったキーワードに関連する選択肢を選ぶ。
関連知識
高齢者のQOL(生活の質)、ADL(日常生活動作)、IADL(手段的日常生活動作)、エンパワメント、個別性、全人的ケア、看護過程における目標設定の重要性。