Aさん(32歳、初産婦)は前置胎盤のため妊娠37週0日の午前10時から帝王切開術を受ける予定である。手術前日の看護師の対応で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
前置胎盤の帝王切開術は、大量出血のリスクが非常に高いため、術前から輸血の準備を確実に行っておくことが患者の安全を確保する上で不可欠です。看護師は、その準備が整っているかを確認する重要な役割を担います。
選択肢ごとの解説
- 1. 帝王切開術前のルーティンとしての浣腸は、現在では感染リスクや不快感の増加を考慮し、一般的に推奨されていません。腸管準備は、必要に応じて下剤の使用や絶食で対応します。正しくは:必要に応じて医師の指示に基づき、下剤の使用を検討する。選びやすい理由:以前は帝王切開術前にも浣腸が行われることがあったため、知識がアップデートされていないと選んでしまう可能性があります。混同注意:経腟分娩前の便排出目的の浣腸と混同する可能性がありますが、帝王切開では目的が異なります。
- 2. 帝王切開術の場合、通常は手術前日の夕食までは摂取可能で、夜9時以降や手術6時間前からの絶食となることが多いです。手術前日の日中に「夕食が禁食」というのは一般的ではありません。正しくは:手術当日の朝食以降、あるいは指示された時間からの絶食について説明し、確認する。選びやすい理由:手術前の絶食は重要であるため、絶食に関する確認が適切であると感じるかもしれません。混同注意:手術前の絶食指示の具体的な時間と、一般的な食事摂取のタイミングを混同する可能性があります。
- 3. 正解。前置胎盤は出血リスクが高い状態であり、帝王切開術では大量出血の可能性がさらに高まります。そのため、手術前日までに輸血の準備(自己血貯血や他家血の交差適合試験など)が完了しているかを確認することは、患者の安全確保のために非常に重要です。正しくは:選択肢の記述通りで適切です。選びやすい理由:輸血の準備は医師の指示や輸血部に確認することであり、看護師の直接的な実施ではないため、迷うかもしれません。しかし、チームの一員として確認は重要な業務です。混同注意:輸血準備が医師や検査技師の業務と捉えがちですが、看護師は多職種連携の中でその準備状況を把握し、安全に手術が遂行されるかを間接的に確認する役割があります。
- 4. 間欠的空気圧迫装置は、術中の深部静脈血栓症予防のために用いられることが多いですが、通常は手術当日の術前あるいは入室時に装着します。手術前日から装着することは一般的ではありません。正しくは:手術当日の術前に装着することを説明し、準備する。選びやすい理由:深部静脈血栓症の予防は重要であるため、関連するケアとして選んでしまう可能性があります。混同注意:血栓予防の重要性は理解していても、その具体的な開始時期を誤解する可能性があります。
国試ポイント
周術期看護におけるリスク管理、特に高リスクな症例(前置胎盤など)における術前準備の優先順位と内容を理解しているかが問われています。また、ルーティンケアの変更点や、多職種連携の中での看護師の役割もポイントです。
混同注意
手術前処置に関する知識が古かったり、個別の処置の開始時期を混同していると誤答に繋がりやすいです。特に、絶食や血栓予防の開始タイミング、浣腸の現代的な適応について正確な知識が求められます。
次に同じ論点が出たら
この患者が術前日に不安を訴えている場合、どのような精神的サポートが適切か、また、緊急で帝王切開が必要になった場合の看護師の初動について考察する。
関連知識
前置胎盤の病態生理と関連する合併症(出血、DICなど)、帝王切開術の周術期管理、輸血療法の実際、深部静脈血栓症の予防策、術前絶食・飲水指示の最新ガイドライン。