エストロゲン低下によって更年期の女性に起こるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
更年期にエストロゲンの分泌が減少すると、骨形成と骨吸収のバランスが崩れ、骨吸収が優位になることで骨量が低下し、骨粗しょう症のリスクが高まります。これはエストロゲンが骨代謝において重要な役割を担っているためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。エストロゲンは骨形成を促進し、骨吸収を抑制する作用があります。更年期にエストロゲンが低下すると、骨吸収が骨形成を上回り、骨量が減少して骨粗しょう症のリスクが高まります。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:更年期の症状として最も一般的に認識されている身体的変化の一つであり、直接的な因果関係があるため、迷うことは少ないでしょう。混同注意:他の選択肢がエストロゲンの作用と逆の効果を示しているため、明確に区別できます。
- 2. エストロゲンは脂肪組織の分布にも影響を与えます。エストロゲンが減少すると、内臓脂肪はむしろ増加する傾向にあります。これはメタボリックシンドロームのリスク上昇につながります。正しくは:内臓脂肪の増加選びやすい理由:「更年期太り」という言葉があるように、体重増加のイメージから脂肪が減るという誤解を抱く可能性は低いですが、脂肪の種類(内臓脂肪か皮下脂肪か)を意識しないと混同するかもしれません。混同注意:エストロゲンは脂肪燃焼にも関与するため、低下すると内臓脂肪は増えやすくなります。減少とは逆の現象です。
- 3. エストロゲンは脳の血管拡張作用に関与しており、脳血流量を維持する働きがあります。エストロゲンが低下すると、脳血流量はむしろ減少する傾向があり、ホットフラッシュなどの血管運動神経症状の一因となると考えられています。正しくは:脳血流量の減少選びやすい理由:更年期には頭痛やめまいなどの症状が見られることがありますが、それらが血流増加によるものだと誤解する可能性はあります。しかし、エストロゲンの血管保護作用を理解していれば、増加ではないと判断できます。混同注意:エストロゲンは血管を保護し、血流を良好に保つ作用があるため、その低下は血流を増加させるのではなく、減少させる方向に働きます。
- 4. エストロゲンはHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させ、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減少させる作用があります。更年期にエストロゲンが低下すると、HDLコレステロールは減少し、LDLコレステロールは増加する傾向にあります。正しくは:HDLコレステロールの低下選びやすい理由:コレステロール値の変動は複雑で、健康への影響も多岐にわたるため、正しい知識がないと迷いやすいかもしれません。しかし、エストロゲンの心血管保護作用を理解していれば、HDLが上昇することは考えにくいと判断できます。混同注意:エストロゲンの心血管保護作用は、HDLを増加させLDLを減少させることです。そのため、エストロゲン低下時にはこの作用が失われ、HDLは減少しやすくなります。
国試ポイント
更年期の女性に起こる身体的変化と、その原因であるエストロゲン低下との関連性を理解しているかどうかが問われる問題です。特に骨代謝、脂質代謝、脂肪分布、血管系への影響といったエストロゲンの主要な作用を正確に把握しておく必要があります。
混同注意
各選択肢が示す症状が、更年期に見られる一般的な症状と結びつきやすいため、エストロゲンの具体的な作用を誤解していると判断を誤りやすいです。例えば、内臓脂肪の増加やHDLコレステロールの低下は、更年期の女性によく見られる変化ですが、選択肢では逆の表現で提示されています。
次に同じ論点が出たら
この知識を基に、更年期の女性に対する健康指導や看護ケアの内容を適切に判断できるようになります。例えば、骨粗しょう症予防のための生活習慣指導や、脂質異常症スクリーニングの重要性などです。
関連知識
更年期障害の症状、エストロゲンの生理作用、骨粗しょう症、メタボリックシンドローム、心血管疾患のリスク管理。