炎症の4徴候に含まれるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
炎症は生体組織が傷害された際に起こる防御反応であり、局所の血管拡張や血管透過性亢進により体液成分や細胞が滲出し、腫脹や発赤といった徴候を呈する。特に「腫脹」は血管透過性亢進による血漿成分の漏出が原因であり、「発赤」は細動脈拡張による血流量増加が原因である。
選択肢ごとの解説
- 1. 壊疽は炎症の徴候ではなく、虚血や感染などにより組織が壊死し、腐敗菌の作用が加わって黒色化・乾燥または湿潤した状態を指す。これは炎症の結果として起こりうる病態の一つである。正しくは:炎症の徴候は、発赤、腫脹、熱感、疼痛、機能障害である。選びやすい理由:炎症が悪化したり、感染が重篤化したりすると壊疽につながるため、炎症と関連する病態として混同しやすい。混同注意:炎症の徴候、炎症の合併症/結果
- 2. 正解。腫脹は炎症の五大徴候の一つである。炎症部位の血管透過性亢進により、血管から組織間隙へ血漿成分が漏出し、組織の容積が増加することで生じる。選びやすい理由:炎症の最も視覚的に認識しやすい徴候の一つであるため。混同注意:浮腫(炎症性浮腫は腫脹の一部)
- 3. 膿瘍は炎症の徴候そのものではなく、化膿性炎症の結果として組織内に膿が貯留した状態を指す。これは炎症が進行して引き起こされる病態である。正しくは:炎症の徴候は、発赤、腫脹、熱感、疼痛、機能障害である。選びやすい理由:炎症、特に細菌感染による炎症の代表的な所見であるため、炎症の徴候と誤解しやすい。混同注意:炎症の徴候、炎症の合併症/結果
- 4. 正解。発赤は炎症の五大徴候の一つである。炎症部位の細動脈が拡張し、血流量が増加することで皮膚や粘膜が赤くなる現象である。選びやすい理由:炎症の視覚的に分かりやすい徴候の一つであるため。混同注意:内出血(血流増加ではない)
- 5. 浮腫は組織間液が異常に増加した状態全般を指し、様々な原因で生じる。炎症による浮腫は「腫脹」として炎症の徴候に含まれるが、浮腫そのものは炎症に特化した徴候ではないため、炎症の徴候を問われた際には「腫脹」がより直接的な表現となる。この問題では「含まれるのはどれか」と問われており、浮腫は広義の概念であり、炎症性の浮腫は腫脹であるため、腫脹を選択するのがより適切。正しくは:炎症による体液貯留は腫脹として表現される。選びやすい理由:炎症部位には液体が貯留するため、浮腫と腫脹が混同されやすい。浮腫も液体貯留を伴う状態であるため、正しいと感じやすい。混同注意:腫脹(炎症に伴う液体貯留は腫脹)
国試ポイント
炎症の五大徴候(Rubor:発赤、Tumor:腫脹、Calor:熱感、Dolor:疼痛、Functio laesa:機能障害)を正確に覚える。
混同注意
炎症の徴候は生体の反応であり、壊疽や膿瘍は炎症の結果生じる病態である点を区別する。また、浮腫は様々な原因で起こるが、炎症による浮腫は「腫脹」として炎症の徴候に含まれる。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、炎症の基本徴候を問うているのか、あるいは炎症によって引き起こされる病態を問うているのかを区別して判断する。
関連知識
急性炎症と慢性炎症の違い、炎症性サイトカインの種類と役割、炎症細胞の種類(好中球、マクロファージ、リンパ球など)についても理解を深める。また、病原体感染による炎症と非感染性炎症の病態生理の比較も重要。