声帯の運動や緊張度を調節する神経を分枝するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
迷走神経は、喉頭を支配する反回神経(声帯の運動を司るほとんどの喉頭筋を支配)と上喉頭神経(声帯の緊張度を調節する輪状甲状筋を支配)を分枝しており、声帯の運動と緊張度の両方を直接的に調節する重要な脳神経です。
選択肢ごとの解説
- 1. 三叉神経は、顔面の感覚(痛覚、触覚、温度覚など)と咀嚼筋の運動を司る神経です。声帯の動きやその緊張度を直接調節する役割はありません。正しくは:三叉神経は、顔面の知覚と咀嚼運動を担います。選びやすい理由:脳神経の中でも有名であり、感覚と運動の両方を持つため、様々な機能に関わると誤解されやすいです。混同注意:顔面神経や舌下神経など、他の頭頚部の運動・感覚神経と混同されることがあります。
- 2. 顔面神経は、顔面表情筋の運動、舌の前2/3の味覚、涙腺や唾液腺の分泌に関与する神経です。声帯の運動や緊張度とは直接的な関係はありません。正しくは:顔面神経は、表情筋の運動や味覚、腺分泌を担います。選びやすい理由:「顔」という言葉から、発声にも関係があるのではないかと連想されやすいです。混同注意:舌咽神経や迷走神経など、発声や嚥下に関わる他の脳神経と混同されることがあります。
- 3. 舌咽神経は、舌の後ろ1/3の味覚と知覚、咽頭の知覚、嚥下に関わる一部の筋肉(茎突咽頭筋)の運動、耳下腺の分泌を担う神経です。声帯の運動や緊張度を直接調節する機能はありません。正しくは:舌咽神経は、舌後方の感覚や嚥下、唾液腺の分泌に関わります。選びやすい理由:咽頭に関わるため、発声器官の一部である声帯にも関連があるのではないかと誤解されやすいです。混同注意:迷走神経(咽頭・喉頭支配)や舌下神経(舌運動)と混同されやすいです。
- 4. 正解。迷走神経は、反回神経と上喉頭神経を分枝します。反回神経は声帯を動かす多くの喉頭筋(内転、外転、開閉)を支配し、上喉頭神経外枝は声帯の張りを調節する輪状甲状筋を支配しているため、声帯の運動と緊張度を調整する主要な神経です。
- 5. 舌下神経は、舌の筋肉(舌筋)の運動のみを司る神経であり、声帯の動きやその緊張度には関与しません。正しくは:舌下神経は、舌の運動を担います。選びやすい理由:「舌」という部位から、発声や口腔内の動きに関連すると思い込みやすいです。混同注意:舌咽神経や迷走神経など、発声・嚥下に関わる他の脳神経と混同されることがあります。
国試ポイント
この問題は、脳神経のそれぞれの機能、特に喉頭や発声に関わる神経の支配領域と働きに関する正確な知識を問うものです。看護師国家試験では、脳神経の機能とそれに関連する症状(例:麻痺による嗄声、嚥下障害など)が頻繁に出題されます。
混同注意
舌咽神経(嚥下・咽頭の感覚)、舌下神経(舌の運動)、顔面神経(表情筋)など、発声や嚥下に関わる他の脳神経と迷走神経の機能が混同されやすい点です。それぞれの神経の支配領域と主要な機能を明確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の脳神経(特にⅢ、Ⅳ、Ⅵ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅺ、Ⅻ)の主要な支配領域と機能について確認し、それぞれの神経がどのような症状と関連するかを理解しておくことが求められます。また、嚥下反射や発声機構が複数の神経の協調によって成り立っていることも意識しましょう。
関連知識
喉頭の解剖生理(声帯、喉頭筋群、喉頭軟骨)、反回神経麻痺による嗄声の機序、嚥下障害に関わる神経、発声のメカニズム。