Aさん(68歳、男性)は妻(68歳)と2人暮らし。膀胱癌で尿路ストーマを造設している。Aさんはストーマ装具の交換に慣れてきたため、妻と日帰りで近くの温泉地を旅行する計画を立てており、外来看護師に助言を求めた。外来看護師がAさんに助言する内容で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
尿路ストーマの場合、装具のトラブル(剥がれ、漏れなど)は突然発生する可能性があります。旅行先ではすぐに交換物品を入手できないことも考えられるため、予備を十分に持参することが重要です。2回分という具体的な数量は、日帰り旅行において妥当な備えとなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。旅行中は予期せぬトラブル(装具の剥がれ、漏れなど)が発生する可能性があります。また、ストーマ周辺の皮膚トラブルを避けるためにも、清潔な交換物品を多めに持参することは重要です。万が一の事態に備え、交換に必要な物品を一式で2回分以上携帯することは適切な準備と言えます。正しくは:装具交換に必要な物品一式を2回分以上携帯すること。選びやすい理由:1回分では緊急時に対応できない可能性があるため、少し多めがよいと考える。混同注意:具体的な回数が示されているため、多すぎるか少なすぎるか判断に迷う可能性がある。
- 2. 尿路ストーマ(ウロストミー)の場合、尿路感染症の予防や脱水防止のためにも、十分な水分摂取が推奨されます。特に温泉地への旅行では発汗も増える可能性があるため、水分制限は不適切です。一般的に、成人では1日1,500~2,000mL程度の水分摂取が望ましいとされています。正しくは:旅行中の水分摂取は、脱水予防のためにも十分に摂ること。選びやすい理由:排泄量の増加を懸念して水分制限を考えるかもしれない。混同注意:尿量管理として水分制限が適切だと誤解する可能性がある。
- 3. ストーマは人工的に造設された臓器であり、装具は排泄物を適切に処理し、皮膚を保護するために常時装着されているものです。装具を外して入浴すると、排泄物が湯船に出てしまう可能性があり、衛生的にも適切ではありません。また、感染のリスクや、ストーマ周囲の皮膚を保護する観点からも装具は装着したまま入浴することが基本です。正しくは:ストーマ装具は装着したまま入浴すること。選びやすい理由:自宅での入浴と同じように考えてしまう可能性がある。混同注意:他の入浴客への配慮のみを重視し、ストーマ管理の原則を忘れてしまう可能性がある。
- 4. オストメイト対応トイレは便利ですが、それがなければ旅行が不可能というわけではありません。通常のトイレでも工夫すればストーマケアは可能です。オストメイト対応トイレの有無だけで旅行先を変更する必要はなく、利用可能な設備を確認し、必要に応じて準備をすることで対応できます。正しくは:オストメイト対応トイレがない場合でも、他の方法で装具ケアは可能であるため、旅行先変更の必要はない。選びやすい理由:より安全で快適な環境を求めて、オストメイト対応トイレの存在を重視しすぎる可能性がある。混同注意:オストメイト対応トイレの利便性が必須条件だと誤解する可能性がある。
国試ポイント
本問題は、尿路ストーマを造設した患者が日常生活を送る上での具体的な注意点と、看護師が提供すべき適切な助言について問われています。特に、旅行という非日常的な状況下での自己管理能力と、それに対する支援の知識が求められます。排泄ケア、感染管理、皮膚保護、社会生活の継続という多角的な視点から、正しい知識に基づいた判断が重要です。
混同注意
水分摂取に関する助言は、疾患やストーマの種類によって異なる可能性があるため、誤解しやすいです。また、入浴時の対応も、ストーマ造設者のQOLと清潔保持のバランスで判断が問われるため、迷いやすい選択肢と言えます。
次に同じ論点が出たら
今後、Aさんが長期旅行を計画した場合、追加でどのような助言が必要になるか。また、Aさんが高齢であることから、装具交換の習熟度や身体機能の変化に応じた支援について検討する。
関連知識
ストーマの種類(消化器ストーマ、尿路ストーマ)ごとの特徴とケアの違い。ストーマ装具の種類と交換方法。ストーマ周囲皮膚トラブルの予防と対処。日常生活(食事、入浴、旅行、運動)におけるストーマケアの工夫。災害時や緊急時のストーマ管理。