深部静脈血栓症〈DVT〉の危険因子はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
深部静脈血栓症(DVT)の発生には、「ヴィルヒョーの三徴」(血流うっ滞、血管内皮障害、血液凝固能亢進)が深く関わっています。長期間の臥床は、下肢の筋肉の収縮によるポンプ作用が失われるため、静脈血の還流が滞り、血流うっ滞を引き起こします。この血流うっ滞が血栓形成を促進する主要なメカニズムの一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. DVTの危険因子は、一般的に高齢者で高まる傾向があります。若年者は通常、血液凝固能が正常で、血管内皮の損傷や血流停滞のリスクが低いとされています。正しくは:高齢(60歳以上)選びやすい理由:「病気は年齢に関わらず誰にでも起こりうる」という一般的な考えから、若年層でもDVTのリスクがあると考えてしまうかもしれません。しかし、危険因子としての「若年」は適切ではありません。混同注意:他の、若年者に多いとされる疾患のリスク因子と混同する可能性があります。
- 2. 水分過多は血液を希釈する方向に働き、血栓形成のリスクを下げる可能性があります。DVTの危険因子となるのは、むしろ脱水による血液濃縮です。正しくは:脱水状態(水分不足)選びやすい理由:「水分」が血液の性状に影響するという点で、何らかの関係があると考えてしまうかもしれませんが、水分過多と血栓形成は逆の関係にあります。混同注意:心不全や腎不全など、水分過多が問題となる他の病態と混同する可能性があります。
- 3. 正解。長期間の臥床は、下肢の筋肉ポンプ作用を著しく低下させ、静脈内の血流停滞を引き起こします。これは深部静脈血栓症の主要な発生要因の一つである「血流うっ滞」に該当し、血栓形成のリスクを大幅に高めます。
- 4. るいそう(著しい低栄養状態)自体はDVTの直接的な主要危険因子ではありません。むしろ、肥満やメタボリックシンドロームのように炎症や血液凝固亢進を伴う状態がDVTのリスクを高めるとされています。ただし、るいそうを伴う悪性腫瘍などはDVTのリスク因子となりえますが、それはるいそう自体が原因ではありません。正しくは:肥満選びやすい理由:るいそうは病的な状態であるため、何らかの健康リスクと結びつけて考えてしまうかもしれませんが、DVTの直接的な危険因子としては不適切です。混同注意:悪性腫瘍患者などで見られるるいそうと、悪性腫瘍自体が血栓症のリスク因子であることとを混同する可能性があります。
国試ポイント
看護師国家試験において、DVTの危険因子はヴィルヒョーの三徴に関連付けて頻繁に出題されます。特に、手術後の安静期間、長期臥床、特定の疾患(悪性腫瘍、心不全など)の合併症としてのリスク状況が問われることが多い論点です。予防策(早期離床、弾性ストッキングなど)と合わせて理解しておく必要があります。
混同注意
他の病態におけるリスク因子や、DVTと症状が似ている疾患(例:蜂窩織炎、リンパ浮腫)との鑑別、またDVTの予防策と危険因子を混同することがあります。
次に同じ論点が出たら
DVTに関する問題が出題された際は、その危険因子だけでなく、予防策、DVTが疑われる際の看護介入、肺血栓塞栓症との関連性、抗凝固薬などの治療薬とその管理に関する知識も確認することが重要です。特に、ヴィルヒョーの三徴に該当する具体的な状況と、それぞれに対する対策を問われる可能性があります。
関連知識
ヴィルヒョーの三徴(血流うっ滞、血管内皮損傷、血液凝固能亢進)。DVTの主な症状(片側性の下肢腫脹、疼痛、発赤、熱感など)。DVTの最も重篤な合併症である肺血栓塞栓症。DVTの予防策(早期離床、弾性ストッキング、間欠的空気圧迫装置、抗凝固薬投与)。DVTのリスクが高い状況(周術期、妊娠・産褥期、悪性腫瘍、心不全、高齢、経口避妊薬の使用など)。