病気の解説
深部静脈血栓症
緊急性の高い症状
突然の息苦しさや胸の痛み、失神、片脚の腫れや痛みに続く呼吸困難があるときは、ただちに救急(119)を要請してください。
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
深部静脈血栓症では、肺の痛みや息切れがある場合は血栓が心臓から肺に移動した可能性を示すことがあります。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、循環器内科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。
基本
概要
深部静脈血栓症は、脚などの静脈の内側に血の塊(血栓)ができる病気です。原因として、静脈の壁が傷つくこと・血が固まりやすい状態・血流が遅くなることが挙げられます。主な合併症として肺塞栓症や長期のむくみ・痛みなどがあり、状態によっては血流不足が生じることもあります。
主な症状
多くの人は自覚症状が少ないか、まったくないことがあります。肺の痛みや息切れがある場合は血栓が心臓から肺に移動した可能性を示すことがあります。ふくらはぎのむくみや痛み、圧痛、熱感などは、血栓がある静脈の場所によって異なることがあります。腕の静脈にできても腫れが生じることがあります。
検査と診断
診断
診断にはドプラ超音波検査がよく用いられます。血液検査としてDダイマーの濃度を測ることもあり、上昇していれば深部静脈血栓症の可能性が高くなります。肺塞栓症が疑われる場合にはCT血管造影検査や肺シンチグラフィー検査が行われることがあります。脚の血栓を確認するために再度ドプラ超音波検査を行うことがあります。失神を伴う場合は重度の肺塞栓症が疑われ、直ちに治療を検討します。
治療
治療
治療の主な目的は肺塞栓症を予防することです。入院後、抗凝固薬を使うことが一般的で、必要に応じて血栓溶解薬や血栓フィルターが使われることがあります。日常生活で過度の安静は必要なく、活動を制限することはありません。
使われる薬
抗凝固薬は血液をサラサラにして新たな血栓の形成を防ぎ、すでにある血栓を分解するわけではありません。初期には注射薬で効果を出し、長期治療として経口薬を使うことが多いです。ワルファリンのほか、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン、ダビガトランといった直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)も使われます。
経過と生活
合併症
もし肺塞栓症が起きた場合には酸素を使った治療や鎮痛、抗凝固薬の投与が行われます。生命が危険な場合には血栓溶解薬や塞栓を取り除く治療が検討されます。慢性静脈不全や静脈うっ滞性潰瘍が生じた場合には圧迫包帯などの治療が用いられ、潰瘍が治癒した後も再発予防のために弾性ストッキングを着用します。
予防
深部静脈血栓症の予防としては、体を動かすこと・抗凝固薬の利用・間欠的空気圧迫装置の使用が挙げられます。長時間の飛行機での移動など、動きづらい状況では脚を動かす工夫をすることが推奨されています。手術や病気の状況に応じて、リスクが高い人には予防的な治療が行われることがあります。
深部静脈血栓症と関係する症状
症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。
循環器内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。