Aさん(50歳、女性)は、急に体が熱くなったり汗をかいたりし、夜は眠れなくなり疲れやすさを感じるようになった。月経はこの1年間で2回あった。Aさんのホルモンで上昇しているのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
更年期では卵巣機能の低下により、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンが減少します。このエストロゲンの減少は視床下部・下垂体へのネガティブフィードバックを解除し、結果として脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の分泌が亢進します。FSHとLHが高値を示すことで、更年期の診断の一助とされます。
選択肢ごとの解説
- 1. 更年期では卵巣機能の低下によりエストロゲンの分泌量が減少します。このエストロゲン減少が、ほてりや発汗などの更年期症状の主な原因となります。正しくは:エストロゲンは減少している。選びやすい理由:更年期症状に関連するため誤解しやすいが、実際は減少する。混同注意:エストロゲン補充療法などから、エストロゲンが多いと勘違いしやすい。
- 2. プロラクチンは乳汁分泌に関わるホルモンであり、更年期のホルモン変動とは直接関係がありません。通常、更年期に上昇することはありません。正しくは:プロラクチンは更年期のホルモン変動とは直接関係がない。選びやすい理由:ホルモンの一つであるため、知識が曖昧だと選びがち。混同注意:妊娠・授乳期のホルモンと混同しやすい。
- 3. プロゲステロンもエストロゲンと同様に卵巣から分泌されるホルモンであり、更年期では卵巣機能の低下に伴い分泌量が減少します。月経不順もその影響です。正しくは:プロゲステロンは減少している。選びやすい理由:女性ホルモンであるため、更年期と結びつけてしまいやすい。混同注意:妊娠維持に関わるホルモンであり、更年期との直接的な関連性を誤解しやすい。
- 4. 正解。更年期では卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌が減少します。これに対し、脳下垂体は卵巣を刺激するために黄体形成ホルモン(LH)の分泌を亢進させます。これがネガティブフィードバック機構の解除による上昇です。正しくは:この選択肢は正しい。
- 5. 正解。更年期では卵巣機能の低下によりエストロゲンの分泌が減少し、脳下垂体は卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を促進し、卵巣を刺激しようとします。このためFSHの値は上昇します。正しくは:この選択肢は正しい。
国試ポイント
更年期の病態生理とホルモン変動について理解しているか問う問題です。特に、卵巣機能の低下と視床下部-下垂体-卵巣系のフィードバック機構を正確に把握していることが重要です。エストロゲンが減少することで、FSHとLHが代償的に上昇するというメカニズムを覚えておきましょう。
混同注意
更年期症状の原因となるエストロゲン減少と、その結果として上昇するFSH・LHの区別が曖昧になりやすいです。また、他の女性ホルモン(プロゲステロン、プロラクチン)との関連性も混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
Aさんの具体的な症状を鑑みて、他にどのような検査が必要か、またどのような看護介入が考えられるか判断できるようになる。
関連知識
更年期障害の症状(ほてり、発汗、不眠、イライラ、倦怠感など)とその原因、診断基準(血中FSH高値など)、治療法(ホルモン補充療法など)について。また、性周期における各ホルモンの役割や分泌調節機構についても関連知識として押さえておく必要があります。