急性中耳炎で内服薬による治療を受けた5歳の男児および保護者に対して、治癒後に行う生活指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
急性中耳炎の治療後には、再発予防と症状の早期発見が重要です。1. 片方ずつ鼻をかむことで、鼻腔内圧の急激な上昇を防ぎ、中耳への影響を最小限に抑えることができます。5. 発熱は中耳炎の再燃を示唆する重要な症状であり、耳漏の有無を確認することで、鼓膜穿孔や感染の進行を早期に発見し、速やかに医療機関を受診する目安となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。鼻を片方ずつかむことで、鼻腔内の圧力が過度に上昇するのを防ぎ、中耳への細菌や炎症の波及リスクを低減できます。これにより、再燃や悪化の予防につながります。正しくは:正しい選択肢のため修正不要です。選びやすい理由:子どもが小さいため片方ずつかむのが難しいのでは、と誤解する可能性がありますが、指導としては適切です。混同注意:両方同時に鼻をかむと、鼻腔内の圧力が急激に高まり、細菌が耳管を通って中耳へ逆流するリスクがあることを理解していないと、この選択肢の重要性を見過ごすかもしれません。
- 2. 耳垢は通常、自然に外耳道から排出されるため、毎日除去する必要はありません。過度な耳掃除は外耳道を傷つけたり、耳垢を奥に押し込んだりする原因となり、感染リスクを高める可能性があります。正しくは:耳垢の除去は医師や専門家による指示がない限り、不必要に毎日行うべきではありません。選びやすい理由:清潔を保つことが大切だと考え、耳垢も毎日除去すべきだと誤解する可能性があります。混同注意:外耳道と中耳は別物であり、急性中耳炎の治療後に直接耳垢を毎日除去することが中耳炎の再発予防に寄与しない点を理解していないと、清潔保持の観点から正しいと判断するかもしれません。
- 3. 急性中耳炎の治療後であっても、鼓膜穿孔がない限り、通常は入浴時に耳栓を使用する必要はありません。耳栓の使用は、鼓膜穿孔がある場合や、耳から水が入ることで症状が悪化する特定の病態の場合に限られます。正しくは:鼓膜穿孔がない限り、入浴時の耳栓使用は通常不要です。選びやすい理由:耳に水が入ると中耳炎が悪化するという一般的な誤解から、この選択肢を選んでしまう可能性があります。混同注意:中耳炎と外耳道の水の侵入の関係性を混同していると、耳栓の使用が予防策になると誤解するかもしれません。通常、急性中耳炎治療後に鼓膜穿孔がなければ、外耳道から入った水が中耳に直接影響を与えることはありません。
- 4. 大声を出すことが急性中耳炎の再発や悪化に直接的に影響を与えるという医学的根拠はほとんどありません。子どもに過度な制限を課すことは、心理的なストレスを与える可能性があります。正しくは:大声を出すこと自体が中耳炎の再発や悪化に直接的な影響を与えるわけではありません。選びやすい理由:耳に負担をかけないようにと考えるあまり、大声を出すことも避けるべきだと誤解する可能性があります。特に鼻をすすったり、いきんだりする行為は中耳に影響を与えることがありますが、大声とは異なります。混同注意:中耳の圧変化と関連がある行為(鼻をすする、いきむなど)と、単に声を出す行為を混同していると、大声も避けるべきだと判断するかもしれません。
- 5. 正解。急性中耳炎の治療後でも、再燃や慢性化のリスクがあるため、発熱時に耳漏(耳からの浸出液)の有無を確認することは重要です。耳漏は中耳炎の再発や鼓膜穿孔を示すサインである可能性があり、早期発見と適切な対応につながります。正しくは:正しい選択肢のため修正不要です。選びやすい理由:熱があるからといって必ず耳漏が出るとは限らない、と誤解し、確認の必要性を低く見積もる可能性があります。しかし、再発の兆候を見逃さないために重要な観察点です。混同注意:耳漏が感染の兆候であること、そして発熱が再発のサインであるという関連性を理解していないと、この観察の重要性を見過ごすかもしれません。
国試ポイント
急性中耳炎後の生活指導として、耳管機能の保護と再発徴候の早期発見がポイントです。特に鼻のかみ方や、症状悪化時の観察項目は頻出です。
混同注意
治療後の指導と、疾患活動期・予防期の指導を混同しないように注意が必要です。また、一般的な衛生管理と中耳炎に特化した予防策の区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
保護者への説明方法として、なぜその指導が必要なのかを具体的に伝える能力が求められます。
関連知識
耳管の機能(換気、排泄、防御)、中耳炎の病態生理、鼓膜穿孔の有無による対応の違い、小児の耳管の特徴(水平で短く、太い)などが関連知識として挙げられます。