医療現場における暴力について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
医療現場における暴力は、特定の診療科に限定されず、様々な環境要因によって誘発される可能性があります。暴力の予防と発生時の適切な対処のためには、病院全体で暴力予防プログラムを策定し、それに従って対応するとともに、組織的な体制整備が不可欠です。暴力の目撃者も精神的な被害を受ける可能性があるため、広義の被害者と捉えるべきです。
選択肢ごとの解説
- 1. 医療現場での暴力は、精神科だけでなく、救急外来や一般病棟など、様々な部署や状況で発生する可能性があります。患者の状態や状況によって発生しうるため、特定の科に限定されるものではありません。正しくは:医療施設全体で起こりうる問題である。選びやすい理由:精神科は暴力が発生しやすい環境ではあるため、限定的であると誤解する可能性がある。混同注意:精神科患者の興奮や錯乱状態が暴力につながるケースが多いという事実と混同しやすい。
- 2. 病室の環境(例:騒がしい、人目が少ない、プライバシーがない、暑い・寒いなどの不快感)は、患者の不満やストレスを高め、暴力行為の誘因となることがあります。安全で快適な環境整備は暴力予防の一環です。正しくは:患者の病室環境も暴力行為の引き金になることがある。選びやすい理由:暴力は個人の精神状態に起因すると考えがちで、環境要因を軽視する可能性がある。混同注意:環境要因が直接的な原因ではないと誤解しやすいが、誘因とはなりうる。
- 3. 暴力行為を直接受けた者だけでなく、その場に居合わせて目撃した者も精神的苦痛を受けることがあり、広義の被害者(二次被害者)に含まれます。目撃者への心理的ケアも重要です。正しくは:暴力行為の目撃者も、被害者とみなされる場合がある。選びやすい理由:直接的な身体的・精神的被害がないため、被害者ではないと判断しがちである。混同注意:直接的な加害行為の対象となった者だけが被害者であるという限定的な認識と混同しやすい。
- 4. 正解。医療現場における暴力は、偶発的なものとしてではなく、組織的にリスクを評価し、予防策を講じ、発生時にはプログラムに沿って適切に対処することが重要です。これにより、被害の拡大を防ぎ、関係者の安全を確保できます。正しくは:適切です。選びやすい理由:具体的なプログラムの内容を知らないと、選択しにくいかもしれない。混同注意:個別対応が重要だと考え、組織的なプログラムの重要性を見過ごす可能性がある。
- 5. 正解。医療現場での暴力防止には、個人レベルの注意だけでなく、病院全体として、リスクアセスメント、職員研修、報告体制、インシデント後のサポートなど、組織的な体制を整備することが極めて重要です。これにより、再発防止や職員の安全確保につながります。正しくは:適切です。選びやすい理由:個人のスキルや経験が重要だと考え、組織的な体制の必要性を見過ごす可能性がある。混同注意:暴力は個別の問題であり、組織全体で取り組むべき問題ではないと誤解することがある。
国試ポイント
医療現場における暴力防止は、看護師の安全確保だけでなく、患者の安全確保にも直結する重要な課題です。組織的な取り組みの重要性、具体的な予防策、発生時の対応、被害者へのケアなど、多角的な視点から理解しておく必要があります。特に「組織的」「プログラム」といったキーワードに着目しましょう。
混同注意
暴力は精神科に多いという印象から選択肢1を選びがちですが、他の診療科でも発生しうる点を理解することが重要です。また、目撃者の精神的影響を見落としがちです。
次に同じ論点が出たら
暴力発生時の初期対応と、発生後の職員へのメンタルヘルスサポートの重要性について説明できるか。
関連知識
セルフディフェンス研修、危機介入、デエスカレーション、インシデントレポート、ハラスメント対策、二次被害者ケア、医療安全。