穿刺と穿刺部位の組合せで適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
後腸骨稜は、成人の骨髄穿刺において最も安全かつ頻繁に用いられる部位です。骨髄が豊富に採取でき、重要な血管や神経が近くにないため、リスクが低いとされています。他の選択肢は、それぞれ胸腔穿刺、腹腔穿刺、腰椎穿刺の部位として誤りか、リスクが高いと判断されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 胸腔穿刺は主に肋間で行われますが、胸骨体は骨であり、胸腔の穿刺部位としては適切ではありません。胸骨体は骨髄穿刺の部位として用いられることがあります。正しくは:胸腔穿刺は、液貯留部位や気胸の種類によって、第2肋間鎖骨中線上(気胸時)や第5~7肋間腋窩線上(胸水時)などが選択されます。選びやすい理由:「第2肋間」という言葉から、気胸時の穿刺部位を連想させますが、「胸骨体」が間違いです。混同注意:胸骨体は骨髄穿刺の部位であり、胸腔穿刺とは異なります。また、胸腔穿刺の部位と、心嚢穿刺などの心臓関連の穿刺部位と混同しやすいです。
- 2. 剣状突起と臍窩を結ぶ直線の中間点は、上腹部であり、臓器損傷のリスクが高く、腹腔穿刺の一般的な部位ではありません。腹腔穿刺は、腹水貯留がある場合に、血管や腸管の少ない部位を選んで行われます。正しくは:腹腔穿刺の一般的な部位は、臍と上前腸骨棘を結ぶ線の中央から外側1/3、または臍の下方正中線上で膀胱の穿刺を避ける部位(臍の下方2~3cm)などです。通常は、穿刺前にエコーで確認して安全な場所を選びます。選びやすい理由:「腹部の解剖学的ランドマークを結ぶ直線の中間点」という表現が、他の穿刺部位の記述方法と似ているため、正しく聞こえるかもしれません。混同注意:腹腔穿刺の部位と、心窩部穿刺や他の腹部手術の切開部位と混同しやすいです。また、直線の中間点という表現は、他の穿刺部位(例:心嚢穿刺)でも使われるため注意が必要です。
- 3. 腰椎穿刺は、脊髄損傷のリスクを避けるため、脊髄終末より下で行う必要があります。成人では脊髄円錐は通常第1〜2腰椎の高さで終わるため、第1・2腰椎間は脊髄損傷のリ危険性があり不適切です。正しくは:成人における腰椎穿刺は、脊髄終末部より安全な、通常第3・4腰椎間または第4・5腰椎間で行われます。選びやすい理由:「腰椎間」という言葉から腰椎穿刺の部位を連想させますが、脊髄損傷の危険性がある高い位置である点が誤りです。混同注意:乳幼児と成人で脊髄円錐の終末位置が異なることを混同しやすいです(乳幼児では成人より低位)。また、硬膜外麻酔などの他の脊椎関連手技の部位と混同する可能性があります。
- 4. 正解。後腸骨稜は、骨髄が豊富で皮膚に近く、血管や神経の損傷リスクが比較的少ないため、成人の骨髄穿刺における主要な安全部位の一つです。特に採取量が求められる場合によく選ばれます。正しくは:この選択肢は正しいです。混同注意:骨髄穿刺の部位としては、他に胸骨体(成人)、脛骨(乳幼児)などがあります。これらの部位を混同しないように注意が必要です。
国試ポイント
本問は、看護師が実施あるいは介助する機会のある基本的な穿刺手技について、その目的と安全性を理解しているかを問うものです。特に、解剖学的知識と手技の安全管理が重要視されます。各穿刺がどのような目的で行われ、どこに、どのような注意を払って実施されるかを問う問題が多いです。
混同注意
各穿刺手技の名称と部位、小児と成人での部位の違い、特定の疾患時の穿刺部位の選択などが混同しやすいポイントです。例えば、腰椎穿刺における成人・小児の脊髄終末部の違い、骨髄穿刺における胸骨と腸骨稜の使い分けなどです。
次に同じ論点が出たら
次回、同じ論点が出た場合、各穿刺部位の解剖学的特徴(近くにある臓器、血管、神経)、穿刺による合併症のリスク(例:気胸、腹腔内出血、脊髄損傷)、そして小児と成人で穿刺部位が異なる理由に注目して解答を導きます。
関連知識
各穿刺手技の目的(例:診断、治療、検体採取)、適応、禁忌、合併症とその予防、必要な物品、体位、看護師の役割、事前の同意取得、術後の観察項目。