下血がみられる疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
大腸癌は、腫瘍からの出血により下血(便に血液が混じること)を引き起こす代表的な疾患です。大腸の内腔で発生する癌が進行すると、腫瘍表面の血管が破綻しやすく、消化管内に出血します。この出血は、便に混ざって排出されるため、下血として自覚されることがあります。一方、肝嚢胞は肝臓の良性疾患で通常出血は伴いません。卵巣癌は婦人科疾患であり、下血とは直接関連がありません。腎盂腎炎は尿路感染症であり、血尿は伴いますが下血は伴いません。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝嚢胞は肝臓にできる良性の液体貯留で、通常は出血を伴いません。自覚症状がないことが多く、あっても腹部膨満感などです。正しくは:肝嚢胞は下血とは直接関連がありません。選びやすい理由:腹部に関連する疾患ではありますが、消化管出血とは異なります。混同注意:腹部の症状をきたす疾患である点で、下血と関連があるように錯覚する可能性があります。
- 2. 正解。大腸癌は、腫瘍からの出血によって下血を引き起こす代表的な疾患です。進行すると出血量が増えたり、便潜血陽性となることがあります。正しくは:大腸癌は大腸粘膜から出血し、下血の症状を呈することがよくあります。選びやすい理由:下血は様々な原因で起こるため、他の選択肢も可能性を考慮する必要があるように見えるかもしれません。混同注意:痔や憩室出血など、他の下血の原因と混同する可能性がありますが、大腸癌も重要な原因です。
- 3. 卵巣癌は女性生殖器系の悪性腫瘍であり、下血ではなく、不正出血や腹部症状(腹水、腹部膨満感など)を引き起こすことが主です。消化管からの出血とは直接関係ありません。正しくは:卵巣癌は消化管からの出血である下血とは関連がありません。選びやすい理由:骨盤内の疾患であるため、消化器系の症状と誤解する可能性があります。混同注意:婦人科系の出血と下血を混同する可能性があります。
- 4. 腎盂腎炎は腎臓と腎盂の細菌感染症であり、発熱、腰背部痛、排尿痛、血尿などが主な症状です。下血(消化管からの出血)とは異なります。正しくは:腎盂腎炎は尿路系の疾患であり、下血ではなく血尿を伴うことがあります。選びやすい理由:血尿という出血症状があるため、下血と混同しやすいかもしれません。混同注意:「出血」という共通点があるため、血尿と下血を混同しやすいです。下血は消化管からの出血を指します。
国試ポイント
下血の主な原因となる疾患を理解しているか、また各疾患の症状を正確に区別できるかが問われています。特に消化管出血と他の部位の出血(婦人科系、泌尿器系など)との鑑別が重要です。
混同注意
血尿や不正出血など、他の部位からの出血と下血を混同しやすい。また、下血の原因として大腸癌以外にも痔や憩室出血、炎症性腸疾患などがあるため、これらとの区別も重要。
次に同じ論点が出たら
下血が認められた場合に、出血の原因を特定するためにどのような検査(便潜血検査、大腸内視鏡検査など)が必要か、また患者に対してどのような初期対応を行うべきか。
関連知識
下血の性状(鮮血便、暗赤色便、タール便)によって出血源の位置がおおよそ推測できること。鮮血便は肛門付近や下部大腸からの出血、暗赤色便は上部大腸や小腸からの出血、タール便は胃や十二指腸などの上部消化管からの出血を示唆します。