薬物動態で肝臓が関与するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
薬物代謝の主要臓器は肝臓であり、薬物をより水溶性の高い物質へ変換し、体外排泄を促進する。この過程には主にCYP酵素群が関与する。
選択肢ごとの解説
- 1. 薬物の吸収は主に消化管(小腸)から行われ、肝臓は直接的な吸収には関与しない。ただし、吸収された薬物は門脈を経て肝臓に到達するため、初回通過効果を受ける。正しくは:吸収の主な関与臓器は消化管(小腸)である。選びやすい理由:吸収された薬物が門脈を経て最初に肝臓に到達するため、肝臓が吸収の過程に直接関与していると誤解しやすい。混同注意:初回通過効果と薬物吸収の直接的な役割。
- 2. 薬物の分布は主に血流によって全身組織へ運ばれる過程であり、肝臓は分布に関与する一つの臓器ではあるが、主要な役割ではない。分布は血漿タンパク質結合や組織移行性が重要となる。正しくは:分布は血流を介して全身の組織へ広がる過程である。選びやすい理由:肝臓が血流豊富な臓器であり、多くの薬物が肝臓に到達するため、分布の主要臓器の一つだと誤解しやすい。混同注意:薬物の体内循環と特定の臓器への分布の主要な役割。
- 3. 正解。薬物代謝の主要臓器は肝臓であり、薬物を水溶性の高い代謝物に変換して体外排泄を促進する。この過程にはシトクロムP450(CYP)酵素群が中心的な役割を果たす。選びやすい理由:正答のため特になし。
- 4. 薬物の蓄積は特定の組織に薬物が貯留する現象を指し、肝臓も薬物の蓄積部位となり得るが、肝臓の主要な役割ではない。蓄積は分布の一側面であり、分布とは異なる概念である。正しくは:蓄積は特定の組織(例:脂肪組織、骨、腎臓)に薬物が貯留する現象である。選びやすい理由:肝臓は血流が豊富で代謝酵素が多いため、薬物が一時的に多く存在する状況を「蓄積」と誤解しやすい。また、肝臓が薬物を処理する過程で一時的に薬物濃度が高まることも関係する。混同注意:薬物分布と特定の組織への永続的な貯留(蓄積)。
国試ポイント
薬物動態における各過程(吸収、分布、代謝、排泄)に関与する主要臓器と、それぞれの機序を理解することが重要である。
混同注意
肝臓は薬物の代謝だけでなく、胆汁を介した排泄にも関与するため、代謝と排泄の役割を混同しないよう注意が必要である。また、分布と蓄積も似た概念だが、分布は全身への広がり、蓄積は特定の組織への貯留を指す。
次に同じ論点が出たら
薬物動態に関する問題が出た場合、各選択肢がADMEのどの段階を指しているかをまず明確にし、それぞれの段階にどの臓器が主に関与するかを判断する。
関連知識
薬物動態の4つの過程(ADME: Absorption, Distribution, Metabolism, Excretion)とそれぞれの主な臓器、関与するタンパク質(トランスポーター、酵素)を合わせて覚える。例えば、吸収は消化管、分布は血流、排泄は腎臓が主に関与する。