Aちゃん(7歳、女児)は両親と弟(2歳)の4人で暮らしている。下校中に転倒して右手を地面についた。夕食時に母親がAちゃんの異変を感じ、Aちゃんに尋ねたところ「転んで肘が痛い」と話したため救急外来を受診した。その結果、利き腕である右側の上腕骨の骨折が判明したため、入院して直ちに全身麻酔下で内固定術を受け、ギプス固定された。 手術から2か月、Aちゃんは母親と共に抜釘術のため再入院した。母親は「私は、前回の手術は急なことだったのでよく覚えていないです。Aもよく覚えていないみたいで『手術が怖い』と言っています」と話した。母親への看護師の返答で最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
母親はAちゃんが手術を怖がっていることを訴えています。この状況で看護師は、Aちゃんの不安を軽減し、手術に対する肯定的な理解を促すために、自らが説明やサポートを行うと提案するのが最も適切です。子どもの発達段階に合わせた言葉を選び、遊びや絵本などを活用して不安を和らげることも重要となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 「前回頑張れたから」という慰めの言葉だけでは、Aちゃんや母親の具体的な不安や恐怖を取り除くことにはつながりません。子どもの不安には、具体的な情報提供や安心できる環境作りが必要です。正しくは:Aちゃんの不安に寄り添い、具体的なサポートを提案する。選びやすい理由:子どもを励ます意図は理解できるが、具体的な問題解決には至らない。混同注意:子どもの気持ちを軽視しているように受け取られる可能性がある。
- 2. 手術前のオリエンテーションは重要ですが、この状況で母親が求めているのは「Aちゃんが手術を怖がっている」ことへの対応です。まずAちゃんの不安に焦点を当てた返答が求められます。正しくは:Aちゃんの不安に対する支援と、母親への情報提供の両方を考慮する。選びやすい理由:情報提供自体は看護師の役割であり、必要なことであるため適切に見える。混同注意:母親への情報提供だけでは、Aちゃんの恐怖心が解決されない。
- 3. 手術の説明は医療従事者が主体的に行うべきであり、母親に「説明してください」と丸投げすることは適切ではありません。特に恐怖心を抱いている子どもに対しては、専門的な知識と配慮が必要です。正しくは:看護師が主体となって、子どもへの説明やサポートを行うことを提案する。選びやすい理由:母親が子どもに話すことは大切だが、説明の主体は医療者であるべき。混同注意:母親に責任を押し付けているように聞こえる可能性がある。
- 4. 正解。Aちゃんが手術を怖がっているという母親の訴えに対し、看護師が主体的にAちゃんの不安を軽減し、手術への理解を促すために説明を行うと提案することは最も適切です。子どもの年齢や発達段階に合わせた言葉で、安心感を与える説明を心がける必要があります。正しくは:この選択肢は適切です。選びやすい理由:この選択肢が最もAちゃんの状況に直接的に対応している。混同注意:他の選択肢と比較して、子どもへの直接的な支援の意思が明確である。
国試ポイント
小児に対する心理的サポートと、保護者からの情報を受けた際の看護師の対応について問われています。特に、恐怖心を抱いている子どもへの関わり方が重要です。
混同注意
選択肢2「お母様に手術前のオリエンテーションをしますね」も情報提供の必要性から一見適切に見えますが、Aちゃんの現在の恐怖心への直接的なアプローチとしては選択肢4の方が優先されます。
次に同じ論点が出たら
この後、看護師はAちゃんの年齢やこれまでの経験、理解度を確認した上で、具体的な説明方法を計画し実行します。必要に応じて母親とも連携を取りながら進めることが大切です。
関連知識
小児の術前オリエンテーション、プレパレーション、子どもの発達段階に応じた説明、保護者への情報提供と心理的サポート。