関節や神経叢の周辺に限局して起こる感覚障害の原因はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
関節や神経叢の周辺は、神経が体表に近く、骨や靭帯、筋肉によって圧迫を受けやすい部位です。物理的な圧迫によって神経が損傷すると、その神経の支配領域に限局した感覚障害(しびれ、痛み、感覚鈍麻など)が生じます。例として、手根管症候群(正中神経の圧迫)、肘部管症候群(尺骨神経の圧迫)、腓骨神経麻痺(腓骨頭での圧迫)などが挙げられます。設問の「限局して起こる」という表現が、この物理的圧迫による神経障害の典型的な特徴を示しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 脊髄損傷は広範囲の感覚障害や運動麻痺を引き起こし、しばしば両側性で特定の神経支配領域に限局しません。デルマトームに沿った感覚障害はありえますが、"関節や神経叢の周辺"という局所的な限定には当てはまりにくいです。正しくは:脊髄障害は、通常、障害部位以下の広範囲な感覚・運動麻痺を来します。選びやすい理由:神経系の問題であるため、脊髄も候補に上がるかもしれません。混同注意:末梢神経障害と中枢神経障害の鑑別。
- 2. 正解。物理的な圧迫は、神経が関節の近くや狭い通路(トンネル)を通る際に起こりやすく、圧迫された神経の支配領域に限局した感覚障害(例:手根管症候群、腓骨神経麻痺など)を引き起こします。神経叢の周辺も圧迫を受けやすい部位です。
- 3. 脳血管障害(例:脳梗塞、脳出血)による感覚障害は、通常、体の片側全体に及ぶ半身の感覚障害として現れ、特定の関節や神経叢の周辺のみに局限することは稀です。正しくは:脳血管障害では、体幹の片側全体にわたる感覚障害が見られることが多いです。選びやすい理由:中枢神経系の障害として、感覚異常の原因になりえます。混同注意:末梢神経障害と中枢神経障害の鑑別。
- 4. 糖尿病性神経障害は、通常、両足から始まり、進行すると手にも現れる手袋靴下型の感覚障害(多発神経障害)が特徴であり、特定の関節や神経叢の周辺にのみ限局して生じるものではありません。正しくは:糖尿病性神経障害は、通常、左右対称性の多発性神経障害で、末梢から中枢へと症状が広がります。選びやすい理由:神経障害は糖尿病の合併症としてよく知られています。混同注意:単一神経障害(単神経炎)と多発神経障害の違い。
国試ポイント
神経障害の原因と、その障害部位(中枢性か末梢性か、広範囲か局所的か)による症状の特徴を理解しているかが問われています。特に、症状の局所性から原因を推測する能力が重要です。
混同注意
中枢神経疾患(脳血管障害、脊髄障害)と末梢神経疾患(物理的圧迫、糖尿病性神経障害)による感覚障害の鑑別。中枢性は広範囲、末梢性は限局性という傾向があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、「限局性」というキーワードに注目し、特定の神経の走行部位での圧迫や損傷を第一に考える必要があります。また、「広範囲」「左右対称性」「特定のパターン(手袋靴下型など)」などのキーワードがあれば、他の原因を検討します。
関連知識
・末梢神経の絞扼性神経障害のメカニズムと代表疾患(手根管症候群、肘部管症候群、足根管症候群、腓骨神経麻痺など)。・デルマトームと神経支配領域。・中枢性感覚障害と末梢性感覚障害の症状の違い。