頻回の嘔吐で生じやすいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
頻回の嘔吐により胃液中の塩酸(H+とCl-)が体外に排出され、体内のH+が減少するため、血液のpHが上昇して代謝性アルカローシスが生じやすくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 頻回の嘔吐は、腎臓への直接的な影響で血尿を生じさせる主要な原因ではありません。正しくは:血尿は、腎臓や尿路の疾患(腎炎、尿路結石など)で生じやすいです。選びやすい理由:脱水により腎機能が一時的に低下することはありますが、それ自体が血尿に直結するわけではないため。混同注意:脱水による乏尿や腎前性急性腎不全と混同しやすいですが、血尿は直接的な合併症ではありません。
- 2. 頻回の嘔吐による脱水は、体温調節機能の障害を来すことがありますが、一般的には発熱を伴うことが多いか、体温が正常に保たれることが多く、直接的な低体温の原因とはなりません。正しくは:脱水や感染症による発熱、または熱中症などによる体温上昇が見られることはあります。選びやすい理由:重度の低栄養やショック状態では体温低下が見られることがありますが、嘔吐自体が直接的な原因とは考えにくいため。混同注意:重度の脱水や低栄養による全身状態の悪化と、体温調節機能の異常を混同しやすいです。
- 3. 頻回の嘔吐は、経口摂取量の減少と消化吸収不良を引き起こすため、一般的には体重増加ではなく、体重減少を来します。正しくは:体重増加ではなく、体重減少が生じます。選びやすい理由:一時的な体液貯留による浮腫があれば体重が増える可能性も稀に考えられますが、嘔吐の主要な影響としては体重減少です。混同注意:摂取過多による体重増加と混同しやすいですが、嘔吐は摂取不足につながります。
- 4. 正解。頻回の嘔吐により、胃液に含まれる胃酸(塩酸)が体外に排出されるため、体内の水素イオンが減少し、血液のpHが上昇して代謝性アルカローシスが生じやすくなります。選びやすい理由:消化器症状からアシドーシスを連想することもありますが、嘔吐は酸の喪失である点を理解する必要があります。混同注意:下痢による重炭酸イオン喪失による代謝性アシドーシスと混同しやすいです。
国試ポイント
頻回の嘔吐による酸塩基平衡の変動(代謝性アルカローシス)を理解する。
混同注意
頻回の嘔吐は酸の喪失なのでアルカローシスですが、下痢は重炭酸イオンの喪失なのでアシドーシスを引き起こします。
次に同じ論点が出たら
嘔吐による体液・電解質・酸塩基平衡の異常を問われた際は、胃液喪失が「酸」の喪失であることを基軸に判断する。
関連知識
代謝性アルカローシスの代償反応として呼吸性アシドーシス(換気抑制)が起こり、血中PCO2が上昇します。また、低K血症を合併しやすいです。