出血傾向を考慮し手術前に投与の中止を検討するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ワルファリンはビタミンK依存性凝固因子(第II、VII、IX、X因子)の合成を阻害することで抗凝固作用を発揮します。手術前に中止しないと出血リスクが著しく高まるため、通常は手術の数日前に投与を中止し、必要に応じてヘパリンなど他の抗凝固薬に切り替えます。
選択肢ごとの解説
- 1. アドレナリンは交感神経刺激薬であり、血管収縮作用や心拍数増加作用があります。出血傾向とは直接関係なく、手術前に中止を検討する薬剤ではありません。選びやすい理由:麻酔導入時や手術中に使用されることがあるため、手術と関連付けやすいかもしれませんが、出血傾向とは別問題です。混同注意:手術に関連する薬全般、特に循環器系に作用する薬。
- 2. テオフィリンは気管支喘息の治療薬であり、気管支拡張作用があります。出血傾向とは関連がなく、手術前に中止を検討する薬剤ではありません。選びやすい理由:喘息患者の手術管理では術前からの呼吸機能評価が重要ですが、テオフィリン自体が出血傾向に直接影響を与えるわけではありません。混同注意:呼吸器系疾患の薬物療法、術前の管理が必要な基礎疾患と関連する薬剤。
- 3. 正解。ワルファリンは経口抗凝固薬であり、ビタミンK依存性凝固因子の合成を阻害することで血液凝固を抑制します。手術前に中止しないと重篤な出血を引き起こす危険があるため、通常は手術前に投与を中止する必要があります。選びやすい理由:出血傾向に直接関わる薬剤であるため、この問題の正答肢として選択しやすいです。混同注意:他の抗凝固薬や抗血小板薬との混同。
- 4. バンコマイシンは抗菌薬であり、インドメタシンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。問題文は『バンコマイシンインドメタシン内服薬の禁忌はどれか。』とありますが、これは選択肢の並びではなく問題文の誤植と思われます。仮にインドメタシン単独であれば、NSAIDsは血小板機能を抑制するため、手術前に中止を検討することがありますが、バンコマイシンは抗菌薬であり出血傾向とは直接関連しません。正しくは:この選択肢は問題文の誤植の可能性が高い。もしインドメタシン単独であれば、手術前に血小板機能抑制作用のため休薬を検討する。選びやすい理由:NSAIDs(インドメタシン)は出血傾向を増悪させる可能性があるため、混同しやすい。しかし、バンコマイシンは直接関連しないため、この複合選択肢は誤りである。混同注意:NSAIDs(インドメタシン)の出血傾向への影響と、抗菌薬(バンコマイシン)の作用。
国試ポイント
ワルファリンの作用機序、特にビタミンK依存性凝固因子への影響と、手術時の休薬の必要性を覚える。他の薬剤の薬理作用と、術前休薬の要否についても理解する。
混同注意
ワルファリンとヘパリンの作用機序の違い(ワルファリンは凝固因子合成阻害、ヘパリンはアンチトロンビンIIIを介した凝固因子不活化)や、直接経口抗凝固薬(DOAC)との違い(DOACは休薬期間が短いことが多い)
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、選択肢の薬剤が血液凝固系に影響を与えるものかどうか、特に抗凝固作用や抗血小板作用を持つかを判断基準とする。
関連知識
ワルファリンのPT-INRによる効果モニタリング、プロタミン硫酸によるヘパリン拮抗作用、ビタミンKによるワルファリン拮抗作用、DOACの各薬剤の作用機序と休薬期間、手術前休薬が必要な他の薬剤(抗血小板薬など)。