正常な糸球体で濾過される物質はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
正常な糸球体では、分子量や電荷によって物質のろ過が選択的に行われます。フィブリノゲン、アルブミンといった高分子タンパク質や、血小板、赤血球といった血球成分は通常ろ過されません。ミオグロビンは、ヘモグロビンよりも小さく、分子量約17,000ダルトンと、アルブミン(約69,000ダルトン)よりもかなり小さいため、腎臓の糸球体を比較的容易に通過し、尿中に排泄されえます。ただし、通常は血液中に少量しか存在しないため、正常な尿中にはほとんど検出されません。
選択肢ごとの解説
- 1. フィブリノゲンは分子量が非常に大きいタンパク質であるため、正常な糸球体ではろ過されません。これは血液凝固に関わる主要なタンパク質です。正しくは:フィブリノゲンは通常、糸球体でろ過されません。選びやすい理由:タンパク質であるため、ろ過される成分と誤解される可能性がありますが、分子の大きさが重要です。混同注意:他の小さなタンパク質やアミノ酸と混同する可能性があります。
- 2. 正解。ミオグロビンはヘモグロビンよりも分子量が小さく、正常な状態ではほとんど腎臓で処理されることはありませんが、筋肉の損傷などで血中濃度が上昇した場合には、糸球体を通過して尿中に排泄される可能性があります。選択肢の中で、生体内でろ過される可能性がある比較的小さなタンパク質として適切です。
- 3. アルブミンは血漿タンパク質の大部分を占めますが、分子量が比較的小さいものの、正常な糸球体ではほとんどろ過されません。糸球体には分子量と電荷による選択的な透過性があり、アルブミンは主に陰性荷電によってろ過が抑制されます。正しくは:アルブミンは通常、糸球体でほとんどろ過されません。ろ過される場合は腎機能障害を示唆します。選びやすい理由:最も一般的な血漿タンパク質であるため、ろ過されると誤解しやすいですが、その選択的透過性のメカニズムが重要です。混同注意:他の電解質や小さな分子と混同する可能性があります。
- 4. 血小板は血液細胞の一種であり、糸球体は細胞を通過させません。もし尿中に血小板が認められる場合は、腎臓や尿路の異常を示唆します。正しくは:血小板は細胞であり、糸球体でろ過されません。選びやすい理由:血液の構成成分であるため、ろ過されるものと誤解されるかもしれませんが、細胞である点がポイントです。混同注意:血漿成分と混同する可能性があります。
- 5. 赤血球は血液細胞であり、糸球体は細胞を通過させません。尿中に赤血球が認められる場合は、血尿として腎臓や尿路の異常を示唆します。正しくは:赤血球は細胞であり、糸球体でろ過されません。選びやすい理由:血液の重要な構成成分であるため、ろ過されると誤解されるかもしれませんが、細胞である点がポイントです。混同注意:血漿成分と混同する可能性があります。
国試ポイント
糸球体のろ過機能における分子選択性(分子量と電荷)に関する知識、および各物質の分子量や性質を理解しているかを問う問題です。特に、タンパク質であっても分子量の違いによってろ過されやすさが異なる点を把握しているかが重要になります。
混同注意
アルブミンとミオグロビン。どちらもタンパク質ですが、分子量の差が大きく、正常な糸球体における透過性に違いが生じます。アルブミンは分子量が比較的大きいだけでなく、陰性荷電であるため、糸球体基底膜の陰性荷電との反発によりろ過されにくいです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、分子量、電荷、細胞の有無という3つの観点から物質が糸球体を通過するかどうかを判断する必要があります。特に、異常時に尿中に検出される物質(例:タンパク尿、血尿)と、正常な腎機能でろ過される物質を区別できるようにしておくことが重要です。
関連知識
腎機能検査(尿検査、血液検査)、糸球体腎炎、急性腎不全時の腎臓への影響(ミオグロビン尿症、アルブミン尿)、尿細管再吸収の仕組み、クレアチニンクリアランス、GFR(糸球体ろ過量)。