冷たい川に飛び込んだときに急激に体温が低下する原因で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
冷たい水に急に飛び込むと、体温が著しく下がる主な理由は、体表が直接冷たい水に触れることによる熱伝導の増大です。水は空気と比較して熱伝導率が非常に高いため、体から水への熱の移動が急速に起こります。
選択肢ごとの解説
- 1. 対流による熱損失も起こりますが、体表と冷水が直接接触する状況では、熱伝導がより主要な熱損失経路となります。対流は水の流れによって熱が奪われる現象を指します。正しくは:熱伝導が主な理由であり、対流は補助的な役割を果たすことが多いです。選びやすい理由:水泳時など、体が水中で動く状況では対流による熱損失も大きくなるため、選びやすい選択肢です。混同注意:熱伝導(直接接触)と対流(流体の移動)の区別、および水中でのそれぞれの相対的な寄与。
- 2. 放射は電磁波による熱の移動であり、冷たい水中にいる状況では、体からの熱の放射はほとんどなく、熱損失の主要な経路ではありません。水は赤外線をよく吸収するため、放射による熱の移動は空気中に比べて非常に小さいです。正しくは:冷水中の主な熱損失は熱伝導です。選びやすい理由:一般的な環境下での熱放散のメカニズムの一つとして知られているため、熱放散全般の知識から選びやすいです。混同注意:空気中での熱放散メカニズムと水中での熱放散メカニズムの違い。
- 3. 正解。水は空気よりも熱伝導率が約25倍高いため、冷たい水に直接触れると体表から水へ熱が急速に移動します。これが冷たい水に飛び込んだ際に体温が著しく下がる最も主要な理由です。選びやすい理由:正答肢であり、医学的・物理学的に最も適切な説明です。
- 4. 冷たい水に急に飛び込むこと自体が、直ちに体全体の代謝による熱エネルギー産生を低下させる直接的な原因ではありません。むしろ、寒冷刺激によって震えなどの熱産生を亢進させる反応が起こります。正しくは:寒冷刺激は、代謝による熱エネルギー産生をむしろ亢進させます(震えなど)。選びやすい理由:体温が下がる結果として代謝が低下するという連想から選びやすいですが、原因と結果が逆転しています。混同注意:体温低下の『原因』と『結果』の混同。
- 5. 冷たい水に急に飛び込んだ際に、骨格筋における熱エネルギー産生は低下するのではなく、むしろ震えなどの反応により熱産生は亢進します。これは体温を維持しようとする生体防御反応です。正しくは:寒冷刺激により、骨格筋における熱エネルギー産生(震えなど)は亢進します。選びやすい理由:体温低下という結果と筋肉の活動性低下を関連付けてしまいがちですが、実際には震えによる熱産生が起こります。混同注意:体温調節における熱産生メカニズムの誤解、特に寒冷刺激に対する生体反応。
国試ポイント
体温調節における熱放散の主要なメカニズム(伝導、対流、放射、蒸発)とその特性、特に水中と空気中での熱伝導率の違いを理解することが重要です。
混同注意
熱伝導と対流は熱の移動に関与しますが、伝導は直接接触による熱移動、対流は流体の移動を伴う熱移動と区別して理解する必要があります。冷水への飛び込みでは、皮膚と水の直接接触による熱伝導が最も支配的です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、「冷たい水に『直接』触れている」という状況に着目し、熱伝導が最も支配的な熱損失経路であると判断します。空気中での状況と水中での状況の違いも考慮します。
関連知識
熱放散には、伝導(接触による熱移動)、対流(空気や水の移動による熱移動)、放射(電磁波による熱移動)、蒸発(汗の気化熱)の4つの経路があります。水中では熱伝導と対流による熱損失が空気中よりも格段に大きくなります。特に静止している水中では熱伝導の寄与が大きいです。