高齢者の血液検査の結果で成人の基準値と比較して値が高くなるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
高齢者では腎機能の低下により尿素窒素(BUN)の排泄が滞り、血液中の濃度が上昇します。また、インスリン分泌能の低下やインスリン抵抗性の増大により、特に食後の血糖値が上昇しやすくなる傾向があります。他の項目については加齢による有意な上昇は一般的ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 血小板数は加齢による有意な変化は少ないとされています。むしろ高齢者では骨髄機能の低下や栄養状態により減少することもあります。正しくは:加齢による血小板数は大きな変動を示さないか、むしろ減少傾向にあることがある。選びやすい理由:血液成分は全体的に変化すると考えるかもしれないが、血小板は安定している。混同注意:赤血球や白血球の変化と混同するかもしれないが、血小板は異なる。
- 2. 正解。高齢者では腎機能が低下しやすいため、尿素窒素(BUN)の排泄能力が低下し、血液中の濃度が高くなる傾向があります。選びやすい理由:腎機能の低下は他の検査値にも影響を与えるため、注意が必要である。混同注意:クレアチニンと混同することもあるが、BUNも腎機能の指標である。
- 3. 白血球数は加齢によって変化は少ないか、むしろやや減少傾向を示すことがあります。感染時などの反応は遅れることがあります。正しくは:加齢による白血球数は大きな変動を示さないか、やや減少傾向にあることがある。選びやすい理由:免疫機能の低下と関連づけて、白血球数そのものが変動すると考えるかもしれないが、数そのものは安定している。混同注意:免疫応答能力の低下と白血球数の基準値変化を混同する。
- 4. 正解。高齢者ではインスリン分泌能の低下やインスリン抵抗性の増加により、食後の血糖値が上昇しやすくなります。耐糖能の低下が原因です。選びやすい理由:空腹時血糖値と区別して考える必要がある。混同注意:空腹時血糖値の変化と混同しやすいが、食後血糖値の上昇が特徴的である。
- 5. AST(GOT)は肝機能や心筋梗塞などで上昇する酵素ですが、加齢による基準値の上昇は一般的に認められません。正しくは:AST(GOT)は加齢による基準値の変化は通常みられない。選びやすい理由:一般的な酵素活性は年齢とともに変化すると考えるかもしれないが、ASTは安定している。混同注意:他の酵素(例えばALP)は高齢者で上昇することがあるため、混同しやすい。
国試ポイント
高齢者の生理的変化に伴う血液検査値の変動を正確に理解しているかが問われています。特に腎機能や耐糖能の変化は重要です。
混同注意
高齢者の基準値は、成人とは異なる項目があることを理解しておく必要があります。特に肝機能検査や一部の電解質、ホルモンなども加齢に伴う変化を示すことがあります。
次に同じ論点が出たら
これらの検査値の変化が、どのような疾患のリスク上昇につながるか、また看護介入としてどのようなモニタリングや指導が必要かまで考えられると、より実践的な知識となります。
関連知識
加齢に伴う生理的変化として、腎血流量の減少、糸球体濾過量の低下、インスリン感受性の低下、骨密度の減少、消化器機能の低下などがあります。これらの変化が検査値にどのように影響するかを理解することが重要です。