Aちゃん(8歳、女児)は、白血病の終末期で入院しているが、病状は安定している。両親と姉のBちゃん(10歳)の4人家族である。Aちゃんの家族へ看護師が伝える内容として適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
白血病の終末期にある小児においては、QOLの維持が最重要です。食欲は低下しがちですが、食べたいものを自由に食べることは、身体的苦痛の緩和だけでなく、心理的な満足感や家族との大切な時間を過ごす上でも極めて重要であり、禁忌は最小限にすべきです。
選択肢ごとの解説
- 1. 終末期であっても、病状が落ち着いていれば一時的な外出や外泊がQOL向上に繋がる場合があり、一律に禁止すべきではありません。子どもの気分転換や家族との思い出作りの機会を提供することも重要です。正しくは:病状が落ち着いている場合は、医師と相談の上で、一時的な外出・外泊を検討できます。選びやすい理由:感染リスクや急変リスクを考慮し、安全を最優先すべきだと考えてしまうため。混同注意:感染管理や絶対安静が必要な急性期の患者管理。
- 2. きょうだいの面会は、Aちゃん自身の心理的安定だけでなく、Bちゃんの精神的ケアにとっても非常に重要です。面会は制限するのではなく、積極的に促し、共に過ごす時間を提供すべきです。正しくは:お姉さんのBちゃんもAちゃんに面会できますし、面会を積極的に促してきょうだいとの時間を大切にするべきです。選びやすい理由:感染予防の観点から、きょうだいを含め面会者を制限すべきだと考えてしまうため。混同注意:免疫力が低下している患者の感染対策を最優先とする一般的な面会制限。
- 3. 正解。終末期においては、栄養摂取そのものよりも、本人の食欲や食べたいという気持ちを尊重し、QOLを最大限に高めることが優先されます。好きなものを食べることで、心理的な満足感や安楽が得られます。選びやすい理由:特になし。QOLを重視する終末期医療の原則に基づいているため。
- 4. 小児といえども、終末期においては可能な範囲で本人の意思を尊重することが大切です。家族の希望も重要ですが、子どもの意思を無視して家族の希望を優先することは適切ではありません。発達段階に応じた意思決定支援が必要です。正しくは:Aちゃんの意思を可能な限り尊重し、その上でご家族の希望も踏まえてケアを検討します。選びやすい理由:幼い子どもの意思は尊重しにくい、あるいは家族の気持ちを優先すべきと考えてしまうため。混同注意:成人の意思能力と小児の意思能力の区別、代理意思決定の原則。
- 5. 子どもに終末期であることを伝えるかどうかは、年齢や発達段階、理解度、性格、家族の意向などを総合的に考慮して慎重に判断すべき事項です。一律に「伝えないでください」と指示することは適切ではありません。子どもが状況を理解し、自分の感情を表現できる機会を奪うことにもなりかねません。正しくは:Aちゃんの年齢や理解度、ご家族の意向などを踏まえて、どのように伝えるか(伝えないか)を検討します。選びやすい理由:幼い子どもに死を伝えるのは残酷である、傷つけてしまうと考えてしまうため。混同注意:子どもに死を意識させない方が良いという、大人の配慮の押し付け。
国試ポイント
小児の終末期看護におけるQOLの重視、症状緩和、家族への支援の原則。
混同注意
通常の治療段階での食事制限と、終末期医療におけるQOL向上のための食事の柔軟な対応。
次に同じ論点が出たら
小児の終末期ケアに関する問題では、「QOLの維持」「症状緩和」「子どもの意思尊重」「家族支援」の観点から最も適切な選択肢を判断する。
関連知識
小児の終末期ケアでは、年齢に応じた説明、遊びを通じたコミュニケーション、家族(きょうだいを含む)への心理的サポートが重要。ペインコントロールだけでなく、全人的苦痛(トータルペイン)への配慮が求められる。