Aちゃん(8歳、女児)は、両親と妹(3歳)の4人家族である。2歳時に気管支喘息と診断された。5歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く、年に1回は入院していた。6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受診はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。 気管支喘息による発作は軽快して点滴静脈内注射が中止された。咳嗽が軽度あるが全身状態は良好であるため、退院が決定した。Aちゃんに学校での生活状況を確認すると「最近、喘息発作はなかったけど、体育の時は咳が出たり苦しくなったりすることが時々あった」と話した。そのため、Aちゃんと母親に、退院後も抗アレルギー薬の内服と副腎皮質ステロイド薬の吸入を続けるように医師から説明された。看護師のAちゃんに対する退院後の指導で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
学校での活動中に咳が続くなど、喘息症状が出現した際に、すぐに教師に報告することで、早期に適切な対応(休憩、吸入薬の使用、体育活動の中止など)をとることができ、発作の重症化を予防できます。これは自己管理の一環として非常に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 喘息の管理目標は、発作がない状態で通常の生活を送ることです。体育の授業を一律に見学させるのは、QOLの低下を招き、活動を制限しすぎるため適切ではありません。症状に応じて対応を検討すべきです。正しくは:「咳が出そうな時は無理せず休憩しましょう」あるいは「症状が落ち着いている時は、体調に合わせて体育に参加しましょう」選びやすい理由:症状悪化の予防にはなるが、過度な制限は子どもの生活の質を損なう。混同注意:体育がきっかけで発作が起きやすいが、全面的に禁止するわけではない点を理解していない可能性。
- 2. 正解。学校で症状が出た際に、すぐに周囲の大人(教師など)に伝え、適切な対応(休憩、薬の使用、医療機関への連絡など)を取ることは、発作の重症化を防ぐために非常に重要です。自己管理能力の育成にもつながります。選びやすい理由:常識的な行動ではあるが、なぜこれが最も適切なのかを考える。混同注意:「先生に伝える」という行動の重要性を見過ごす可能性。具体的な対処法ではないため、他の選択肢と迷うこともあり得る。
- 3. 喘息の治療は、症状が改善しても医師の指示に基づいて継続することが重要です。自己判断で薬を中止すると、再燃や発作の重症化のリスクが高まります。医師からの説明にも「薬を続けるように」とあるため、これに反する指導です。正しくは:「咳が出なくなっても、医師から指示された薬は継続して使いましょう」選びやすい理由:症状が消えれば薬も不要と考えるのは自然な発想だが、喘息治療の基本を理解していれば誤りと判断できる。混同注意:症状の消失と治療終了を混同する可能性。長期管理の重要性を理解していない場合。
- 4. 喘息患者にとって、室内環境を清潔に保ち、適切な換気を行うことは、アレルゲン(ダニ、カビなど)や刺激物(ホコリなど)の蓄積を防ぎ、症状悪化を予防するために推奨されます。空気の入れ替えをやめるのは不適切です。正しくは:「部屋の空気は定期的に入れ替え、清潔に保ちましょう」選びやすい理由:冬場の冷たい空気や乾燥が刺激になることはあるが、換気自体をやめるのは喘息管理の基本と矛盾する。混同注意:冷たい空気が刺激になるという誤解から、換気を避けることが正しいと考えてしまう可能性。適切な換気と外気吸入のバランスの理解不足。
国試ポイント
気管支喘息の長期管理、特に学校生活におけるセルフケア支援と症状悪化時の対応に関する知識が問われています。患者教育においては、症状の有無だけでなく、医師の指示に基づいた薬物療法の継続と、症状出現時の適切な行動が重要です。
混同注意
体育の制限(選択肢1)は症状悪化予防につながるようにも思えるが、生活の質を考慮すると過度な制限は不適切。薬の自己中断(選択肢3)や換気の停止(選択肢4)は喘息管理の基本に反するため、明確に誤りと判断できる。
次に同じ論点が出たら
医師の指示と看護師の指導の整合性、小児の自己管理能力と保護者・学校との連携の重要性、疾患による生活制限のバランス。
関連知識
喘息治療ガイドラインに基づく長期管理薬(コントローラー)の重要性、発作時対応薬(リリーバー)の使用方法、運動誘発喘息への対応、環境整備の重要性、学校でのアレルギー疾患対応ガイドライン。