開心術後の心タンポナーデで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
心タンポナーデでは、心嚢腔内の液体貯留により心臓の拡張が障害され、右心系への静脈還流が阻害されるため、中心静脈圧が上昇します。これは典型的な所見の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 心タンポナーデでは、心臓の拡張が阻害されるため、心拍出量が低下します。これを代償しようとして交感神経が興奮し、頻脈となることが多いです。徐脈は典型的な症状ではありません。正しくは:頻脈選びやすい理由:ショック症状と混同して、末期の徐脈を連想する可能性がある。混同注意:徐脈は、心臓のポンプ機能低下が重度になる後期症状や、特定の不整脈で見られるが、心タンポナーデの初期・典型的な症状ではない。
- 2. 心タンポナーデでは、心臓周囲に液体が貯留することで、聴診上、心音は減弱(小さく)聞こえるのが特徴です。心音増強は認められません。正しくは:心音減弱選びやすい理由:心拍出量低下に伴い、代償的に心臓が強く拍動しようとするイメージから心音増強を連想するかもしれない。混同注意:心タンポナーデでは心臓と胸壁の間に貯留液があるため、物理的に音が伝わりにくくなる。
- 3. 心タンポナーデは、心臓の周りに血液などが貯留し、心臓の拡張が妨げられることで、心臓が一度に送り出せる血液量(心拍出量)が減少する状態です。増加することはありません。正しくは:心拍出量の低下選びやすい理由:症状が進行する前の代償期を想像してしまう可能性がある。混同注意:心臓の収縮力自体が低下しているわけではないが、物理的に拡張が阻害されるため心拍出量は低下する。
- 4. 正解。心タンポナーデでは、心臓の拡張が妨げられるため、全身や肺から心臓に戻る血液(静脈還流)が心臓内部へ十分に入ることができなくなります。このため、心臓手前の血管(上大静脈や下大静脈)に血液がうっ滞し、中心静脈圧が上昇します。
国試ポイント
心タンポナーデの病態生理と主要な臨床症状(ベックの三徴: 頸静脈怒張、心音減弱、低血圧)を理解しているかが問われています。特に中心静脈圧上昇は静脈還流障害を直接的に示す指標として重要です。
混同注意
心タンポナーデの症状は、心不全や他のショック状態と一部共通するため混同しやすいですが、その特異的な病態生理(心外圧迫による拡張障害)に由来する症状を識別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
中心静脈圧の具体的な測定方法や、それが上昇した場合の看護介入について問われる可能性がある。
関連知識
ベックの三徴、奇異脈(吸気時に収縮期血圧が10mmHg以上低下)、心エコー検査による診断、ドレナージによる治療。