Aちゃん(6歳、女児)は、重症の新生児仮死で出生した。誤嚥性肺炎で入退院を繰り返しているため、今回の入院で経鼻経管栄養法を導入し、退院後は週1回の訪問看護を利用することになった。現在は四肢と体幹の著しい運動障害があり、姿勢保持が困難で、移動および移乗は全介助である。声かけに笑顔はみられるが、指示に応じることはできない。 母親は「Aは来年の4月には小学校に入学する年齢だけど、入学に向けてどうすればよいのか分からない」と訪問看護師に相談した。訪問看護師が行う援助として適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
母親は小学校入学に向けての漠然とした不安と情報不足を訴えています。教育委員会は、就学に関する専門的な相談窓口であり、子どもの状況に応じた就学先(通常の学級、通級指導教室、特別支援学級、特別支援学校など)の検討や、入学までの準備について具体的な情報提供や支援を受けることができます。訪問看護師は、専門機関への適切な橋渡しをすることが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 一般的に、自宅に教員を派遣する小学校は非常に限定的であり、まずは通常の教育システムにおける支援を検討すべきです。また、訪問看護師が直接小学校と連絡を取る前に、保護者がまず相談機関に連絡するよう促すのが適切です。正しくは:まず保護者が教育委員会などの相談窓口に連絡するよう促す。選びやすい理由:一見すると家庭への支援に見えるが、これが最初のステップではない。混同注意:特別支援教育の選択肢と混同しやすいが、これは家庭教育の形態に近く、一般的な入学準備とは異なる。
- 2. Aさんの具体的な状況や必要とする支援の内容が不明な段階で、直ちに特別支援学校を紹介するのは時期尚早です。まずは、子どもの発達状況やニーズを把握し、保護者の意向も確認した上で、適切な相談機関で教育に関する情報を得る必要があります。正しくは:Aさんの状況を詳しく確認し、保護者の意向も踏まえて、適切な教育相談機関への相談を促す。選びやすい理由:特別な支援が必要な子どもの親からの相談のため、特別支援学校が選択肢に上がりやすい。混同注意:特別支援教育の必要性は検討されるべきだが、いきなり特定の学校を紹介するのは適切ではない。まず相談窓口へ。
- 3. 父親の仕事の調整や送迎は、個別の家庭事情に深く関わることであり、訪問看護師が一方的に助言すべき内容ではありません。また、小学校入学に関する根本的な不安や情報不足の解決には繋がりません。まずは、入学に関する情報収集と相談を優先すべきです。正しくは:入学に関する情報収集と相談を優先し、家庭の状況に応じたサポートはその後で検討する。選びやすい理由:保護者の負担軽減を考えると、現実的な提案に見えるかもしれない。混同注意:具体的な困りごとへの対処に見えるが、問題の本質(入学への不安と情報不足)とは異なる。
- 4. 正解。教育委員会は、子どもの就学に関する相談窓口であり、個別の状況に応じた小学校への入学手続き、就学相談、特別支援教育に関する情報提供や支援計画の策定などを行います。母親の「入学に向けてどうすればよいのか分からない」という不安に対し、最も適切で専門的な情報と支援を得られる機関へ繋ぐことが訪問看護師の役割として適切です。正しくは:この選択肢は適切です。選びやすい理由:他の選択肢も一見すると支援に見えるが、教育委員会への相談が最も包括的かつ専門的な支援に繋がる。混同注意:特別支援学校の紹介(選択肢2)と混同しやすいが、教育委員会はより幅広い就学相談に対応し、その中で特別支援教育の要否も検討される。
国試ポイント
看護師が、対象者の抱える問題に対し、適切な専門機関へ繋ぐ連携能力が問われています。特に、子どもの就学に関する問題では、教育委員会が重要な役割を担うことを理解しているかがポイントです。
混同注意
選択肢2(特別支援学校の紹介)は、発達に課題を抱える子どもを持つ親の相談内容として連想されやすいですが、まずは子どもの状況を包括的に評価し、選択肢を検討する専門機関である教育委員会への相談が初期対応として最も適切です。いきなり特定の学校を紹介するのは早計です。
次に同じ論点が出たら
教育委員会への相談後、母親から再度不安や疑問が提示された場合、具体的な相談内容に応じて、教育委員会の担当者との連携を深めるか、他の専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理士など)との連携を検討する。
関連知識
就学相談、特別支援教育、地域の社会資源との連携、発達段階に応じた支援、インクルーシブ教育。