Aさん(78歳、男性)は、尿路感染症による敗血症で入院し、5日が経過した。中心静脈ラインから輸液ポンプを使用して乳酸加リンゲル液が投与され、その側管からシリンジポンプを使用してノルアドレナリンが投与されている。 朝9時、日勤の看護師が訪室したとき、シリンジポンプの閉塞と輸液ポンプの気泡混入の、2つのアラームが作動した。ノルアドレナリンの入ったシリンジは残量があり、乳酸加リンゲル液のボトルが空になっていた。各ポンプおよび各輸液ラインの状況を図に示す。看護師がアラームを停止した後に行うこととして最も優先度が高いのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ノルアドレナリンは昇圧作用を持つ薬剤であり、その投与中断は患者の血圧低下など生命に直結する危険性がある。シリンジポンプの閉塞アラームは、薬液が患者に投与されていないことを意味するため、輸液ラインの閉塞や屈曲を速やかに解除し、薬液の投与を再開することが最優先される。
選択肢ごとの解説
- 1. 乳酸加リンゲル液のボトルが空になっているため準備は必要だが、ノルアドレナリンの投与中断による生命への影響の方が優先度が高い。乳酸加リンゲル液は基材液であり、一時的な中断による緊急性は低い。正しくは:輸液ラインの閉塞を解除し、ノルアドレナリンの投与を再開する。その後、乳酸加リンゲル液を準備する。選びやすい理由:輸液ボトルが空になっているという明確な問題があるため、すぐに補充する必要があると感じる。混同注意:ノルアドレナリンの投与中断による生命への影響と、ベースとなる輸液の不足の緊急性。
- 2. ノルアドレナリンのシリンジは残量があり、すぐに補充する必要はない。閉塞アラームの原因はシリンジ内の薬液不足ではない。正しくは:輸液ラインの閉塞を解除し、ノルアドレナリンの投与を再開する。選びやすい理由:重要な薬剤であるため、残量を確認し補充することを優先しそうになる。混同注意:残量のある薬剤の補充と、投与ルートの閉塞解除の優先順位。
- 3. 輸液ポンプの気泡混入も問題だが、ノルアドレナリンの投与中断による閉塞アラームへの対応が最優先される。気泡混入は直ちに生命を脅かすものではない(少量の場合)。正しくは:輸液ラインの閉塞を解除し、ノルアドレナリンの投与を再開する。その後、輸液ポンプ内の気泡を除く。選びやすい理由:気泡混入は患者へのリスクとなるため、すぐに除去する必要があると感じる。混同注意:閉塞による薬剤投与中断と、気泡混入によるリスクの緊急性。
- 4. 正解。シリンジポンプの閉塞アラームは、ノルアドレナリンが患者に投与されていないことを示す。ノルアドレナリンは昇圧剤であり、投与中断は患者の生命に直結するため、閉塞の原因(屈曲など)を速やかに特定し解除し、投与を再開することが最も優先される。画像を見ると、患者側へのラインが屈曲している可能性も考えられる。選びやすい理由:直接的な原因特定と対処であるため。混同注意:他のアラームや液切れへの対応の優先順位。
国試ポイント
輸液ポンプやシリンジポンプのアラーム発生時の緊急対応と優先順位を理解しているか。
混同注意
薬液の補充や気泡除去も重要だが、生命維持に直結する薬剤投与の再開が最も優先される。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、生命維持に直結する薬剤(昇圧剤、抗不整脈薬など)が関与している場合は、その投与中断による影響が最も大きいと判断し、迅速な対応が必要な選択肢を選ぶ。
関連知識
ノルアドレナリンなどの昇圧剤は、突然中止すると重篤な血圧低下を引き起こす可能性があるため、投与管理には細心の注意が必要である。アラーム発生時は、まず患者の状態を確認し、次に原因を特定し、速やかに対応する。