Aさん(65歳、女性、要支援1)は1人暮らし。慢性心不全で定期的に外来受診していた。下肢の浮腫と息切れを自覚し、心不全の増悪があると診断されて入院となった。入院治療によって、両下肢に軽度の浮腫はあるが歩行による息切れは消失し、退院することになった。Aさんは退院後の生活について「近くのスーパーに歩いて買い物に行くのが楽しみですが、息切れが心配です。何に気をつけたらよいですか」と病棟看護師に話した。 買い物についてAさんに助言する内容で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
息切れは身体への負担を示すサインであり、無理な活動は状態を悪化させるリスクがあります。そのため、息切れを感じたらすぐに休憩し、体力を回復させることが最も重要で適切な助言です。これにより、身体への過度な負荷を避け、安全に活動を継続できるようになります。
選択肢ごとの解説
- 1. 宅配サービスは便利な選択肢ですが、Aさんが自分で買い物に行きたいという意欲がある場合、この選択肢は直接的な助言ではありません。移動能力がまだ残っている段階で、すぐに諦めるような助言は適切ではありません。正しくは:Aさんの希望や身体状態を考慮した上で、補助的な手段として提案する。選びやすい理由:身体への負担を軽減する手段として魅力的だが、Aさんの自立を尊重する視点に欠ける。混同注意:負担軽減のメリットは大きいが、自立支援の観点から最適とは言えない。
- 2. Aさんの現在の状態が明示されていないため、いきなり車椅子の利用を勧めるのは早計です。まずは自力での移動を補助・サポートする方法を考えるべきです。車椅子は、自力歩行が困難になった場合に検討する手段です。正しくは:Aさんの現在の歩行能力や体力を評価し、必要に応じて歩行補助具などを検討する。選びやすい理由:移動負担軽減の最終手段として考えられるが、過剰な介助となる可能性がある。混同注意:重度の移動困難時に有効だが、現時点でのAさんの状態に合致するか不明。
- 3. 荷物を両手に持つことはバランスを崩しやすく、転倒のリスクを高める可能性があります。また、特に息切れしやすい状態であれば、重い荷物を持つこと自体が負担となります。片方の手に杖を持つなど、安全確保を優先すべきです。正しくは:荷物はキャリーカートを利用したり、小分けにして持つなど、負担を軽減し安全を確保できる方法を提案する。選びやすい理由:均等に持つことで体幹のバランスが良くなると誤解するかもしれないが、実際には転倒リスクを高める。混同注意:バランスを保つ目的で提案しがちだが、重い荷物を持つこと自体が負担であり、重心が不安定になる可能性もある。
- 4. 正解。息切れは身体が発する警告サインであり、無理を続けると状態が悪化したり、危険な状況に陥る可能性があります。適切な休憩は、体力の消耗を防ぎ、安全に活動を継続するために非常に重要です。正しくは:(正しいため修正不要)選びやすい理由:(この選択肢は最も適切な助言である)混同注意:(この選択肢は、Aさんの安全と体調管理において最も基本的な対処法を示す)
国試ポイント
高齢者や呼吸器疾患を持つ患者への日常生活における安全指導、特に体調の変化への対応と休憩の重要性。
混同注意
他の選択肢は、一見便利に見えるが、Aさんの自立性や現在の身体状態、安全性を考慮すると、最適とは言えません。特に、息切れという具体的な症状に対する直接的な対処法である4番が最も優先されます。
次に同じ論点が出たら
Aさんの現在の体力や疾患の状態をさらに詳しく把握し、必要に応じて医師や理学療法士と連携して具体的な運動計画や生活指導を立てる。
関連知識
慢性呼吸器疾患患者の運動指導、高齢者の転倒予防、セルフマネジメント支援、日常生活活動(ADL)への援助。