A君(2か月、男児)は、1か月児健康診査で尿道下裂の疑いを指摘され、小児科を受診した。検査の結果、遠位型尿道下裂と診断された。主治医から母親に対し、体重の増加を待ち1歳前後で尿道形成術を行う必要性について説明があった。母親から看護師に対し「手術を受けるまでの間、どう過ごしたらよいですか」と質問があった。 A君は1歳3か月になり、尿道形成術を行うために入院した。手術当日、点滴静脈内注射による持続点滴と尿道カテーテルが挿入された状態で帰室した。創部の陰茎全体はガーゼとフィルムドレッシング材で保護されていた。手術翌日、ガーゼに茶褐色の血液が付着していた。創部が排便で汚染されており、ガーゼを外すと創部に軽度腫脹がみられているが膿の付着はない。尿道カテーテルの周囲から尿が漏れていた。A君は「ママ」と言い不機嫌に泣いている。体温37.0°C、呼吸数28/分、脈拍120/分、血圧100/58 mmHgであった。この時点のA君の状態として最も可能性が高いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
尿道カテーテル周囲からの尿漏れは、カテーテルの閉塞によって尿の排出が妨げられ、膀胱内圧が上昇した結果、カテーテルと尿道の隙間から尿が逆流している可能性が高い。術後の腫脹による尿道狭窄やカテーテルのキンクも閉塞の原因となる。
選択肢ごとの解説
- 1. Aちゃんは「ママ」と泣いて不機嫌であり、術後疼痛が強く、痛み止めを求める意思表示と解釈するのが妥当であるため、創部痛がないとはいえない。正しくは:創部痛がある。選びやすい理由:小児は痛みを言葉で表現しにくいため、疼痛がないと誤解しやすい。混同注意:小児の不機嫌と単なる甘えや不安の区別。
- 2. ガーゼに茶褐色の血液が付着しているが、これは手術翌日であり、術直後の滲出液や古い血液が排出されたものと解釈される。新しい鮮血の付着や多量の出血を示す情報はないため、現時点で出血が続いていると断定するのは難しい。正しくは:出血の継続を示す情報はない。選びやすい理由:ガーゼの血液付着を見て、直ちに出血が続いていると判断してしまう。混同注意:術後の滲出液と活動性出血の区別。
- 3. 体温37.0℃と微熱の範囲であり、創部に膿は付着しておらず、炎症の5徴候(発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害)のうち腫脹と疼痛(不機嫌)はあるものの、特異的な感染徴候は乏しい。排便による創部汚染はあるが、直ちに感染と判断するには不十分である。正しくは:現時点で感染と判断する徴候は乏しい。排便による汚染から感染リスクはある。選びやすい理由:排便による創部汚染や腫脹を見て、感染を疑いやすい。混同注意:術後の炎症反応と感染の区別。
- 4. 正解。尿道カテーテルの周囲からの尿漏れは、カテーテルが閉塞して膀胱内の尿が排出されず、内圧が上昇した結果、カテーテルの隙間から漏れ出す典型的な徴候である。これは最も可能性の高い状態である。選びやすい理由:カテーテルの位置異常やサイズ不適合と混同することがある。混同注意:尿道カテーテルの閉塞とカテーテルの位置ずれ、あるいはカテーテルサイズ不適合。
国試ポイント
小児の尿道カテーテル管理における異常の早期発見とその対応の重要性。
混同注意
尿道カテーテル周囲からの尿漏れと、カテーテルの位置異常や感染による尿漏れ。
次に同じ論点が出たら
尿道カテーテル周囲からの尿漏れがみられた場合、まずはカテーテルの閉塞の有無(キンク、屈曲、貯留物の確認)を最優先で評価する。
関連知識
尿道カテーテル閉塞の原因(キンク、血塊、粘液、結石など)、閉塞時の合併症(水腎症、膀胱破裂、感染など)、閉塞時の対応(フラッシング、カテーテル交換など)。