A君(2か月、男児)は、1か月児健康診査で尿道下裂の疑いを指摘され、小児科を受診した。検査の結果、遠位型尿道下裂と診断された。主治医から母親に対し、体重の増加を待ち1歳前後で尿道形成術を行う必要性について説明があった。母親から看護師に対し「手術を受けるまでの間、どう過ごしたらよいですか」と質問があった。 A君は、手術を受けて1週が経過した。全身状態が安定したため、尿道カテーテルが抜去された。医師から母親に「3日間、経過を観察し、問題がなければ退院できます。退院1か月後に外来を受診してください」と説明があった。退院から外来受診までの日常生活の留意点に関して看護師が母親へ指導することになった。指導で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
A君は脳性麻痺があり、自力での体位変換が困難です。手術後の安静期間や、尿道カテーテル抜去後も、特定の体位による身体への負担や合併症のリスクを避けるための指導が必要です。腹ばいの姿勢は、褥瘡形成のリスクを高めたり、呼吸を妨げたりする可能性があるため、特に避けるべき体位の一つと考えられます。個々の患者の身体状況に合わせたポジショニングの指導が重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿道カテーテル抜去後には、膀胱の洗浄や尿路感染予防のために、むしろ十分な水分摂取が推奨されます。正しくは:「水分は十分に摂りましょう」選びやすい理由:術後の安静や浮腫を連想させ、水分制限が必要かのように誤解される可能性があります。混同注意:心不全や腎不全など、特定の病態での水分制限と混同する可能性があります。
- 2. 尿道カテーテル抜去後、特別な合併症がない限り、通常はシャワー浴や入浴が徐々に許可されます。特に、術後1週間が経過し、創部が安定していれば、入浴が可能となることが多いです。医師の指示に従い、創部の状態が良ければ入浴は可能です。正しくは:「医師の指示に従い、創部の状態が良ければ入浴は可能です」選びやすい理由:術後感染のリスクを過度に意識すると、清潔行為全般を控えるべきだと考えてしまいがちです。混同注意:手術直後の創部感染リスクが高い時期の指導と混同する可能性があります。
- 3. 尿道カテーテルが抜去されたのは、自力での排尿が可能であると判断されたためです。導尿は通常、排尿困難や尿閉がある場合に行われる処置であり、自力排尿が可能なA君には不要です。正しくは:「自力での排尿状況を観察し、排尿困難があれば医師に相談しましょう」選びやすい理由:排尿に関する処置が必要な状況を連想させ、選択肢として考慮してしまう可能性があります。混同注意:自己導尿が必要な疾患を持つ患者や、一時的な排尿障害がある患者への指導と混同する可能性があります。
- 4. 正解。A君は脳性麻痺で座位保持や歩行が自力ではできないため、体位変換やポジショニングが重要です。腹ばいの姿勢は、特に手術部位や身体の特定の部位に圧迫がかかり、褥瘡や循環障害、呼吸困難などを引き起こすリスクがあるため、避けるべきです。適切なポジショニングにより身体的負担を軽減することが重要です。選びやすい理由:他の選択肢が医学的に不適切であるため、相対的に最も適切な選択肢として判断しやすいです。混同注意:一般的な術後の体位に関する指導と、A君の基礎疾患を考慮した特別なポジショニングの指導を区別できない場合があります。
国試ポイント
脳性麻痺など基礎疾患を持つ患者の手術後管理において、合併症予防のための具体的な看護指導の知識が問われています。特に、体位管理の重要性と、個々の患者の状況に応じた配慮が求められる点がポイントです。
混同注意
術後の一般的な指導と、脳性麻痺という基礎疾患を持つ患者に特有の指導を区別することが重要です。他の選択肢は一般的な術後指導としても不適切な内容が含まれています。
次に同じ論点が出たら
同様の問題では、患者の基礎疾患がどのようなリスク要因となり得るか、またそれに対してどのような個別的な看護介入が必要かを判断する視点が重要になります。
関連知識
脳性麻痺患者の身体機能障害、褥瘡予防、呼吸管理、ポジショニングの基本、術後の合併症予防。