膵頭十二指腸切除術においてドレーンを留置する場所で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
膵頭十二指腸切除術では、術後の膵液瘻や胆汁瘻、出血などの合併症を早期に発見し管理するためにドレーンが留置されます。ウインスロー孔(網嚢孔)は、大網嚢と小網嚢(網嚢包)をつなぐ開口部であり、特に膵臓の背側や膵管と消化管の吻合部から漏れ出る可能性のある膵液を効果的にドレナージするのに適した部位です。小網嚢は膵臓の周囲に位置するため、この部位へのドレーン留置は術後合併症の管理において非常に重要とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. マジャンディー孔は脳室系の構造であり、脳脊髄液の循環に関与します。腹腔内のドレナージとは全く関係がありません。正しくは:膵頭十二指腸切除術後の腹腔内ドレナージの部位としては不適切です。選びやすい理由:「孔」という名称で、体のどこかの開口部を指すように聞こえるため、知識が曖昧な場合に選んでしまう可能性があります。混同注意:他の脳室系の孔(ルシュカ孔、モンロー孔)と混同しやすいですが、いずれも腹腔とは無関係です。
- 2. 正解。ウインスロー孔(網嚢孔)は、大網嚢と小網嚢(網嚢包)をつなぐ開口部です。膵頭十二指腸切除術では、膵液漏などの合併症が起こりやすく、特に膵臓の裏側に位置する小網嚢内に貯留した液体を効率的に排出するために、この部位にドレーンを留置することは非常に有効です。
- 3. ルシュカ孔もマジャンディー孔と同様に脳室系の構造であり、脳脊髄液の循環に関与します。腹腔内のドレナージとは無関係です。正しくは:膵頭十二指腸切除術後のドレーン留置部位としては不適切です。選びやすい理由:「孔」という名称と、マジャンディー孔と並んで脳室系の開口部として知られているため、知識が曖昧な場合に選んでしまう可能性があります。混同注意:マジャンディー孔やモンロー孔といった脳室系の他の孔と混同しやすいですが、いずれも腹腔とは無関係です。
- 4. モンロー孔も脳室系の構造であり、側脳室と第三脳室をつなぐ開口部です。腹腔内のドレナージとは関連がありません。正しくは:膵頭十二指腸切除術後のドレーン留置部位として正しい選択肢ではありません。選びやすい理由:他の選択肢と同様に「孔」であり、解剖学的な名称であるため、知識が曖昧な場合に選んでしまう可能性があります。混同注意:マジャンディー孔やルシュカ孔といった脳室系の他の孔と混同しやすいですが、いずれも腹腔とは無関係です。
国試ポイント
この問題は、膵臓手術後の合併症管理におけるドレナージの重要性と、そのための正確な解剖学的知識を問うものです。特に、膵頭十二指腸切除術という特定の術式とドレーン留置部位の関連を理解しているかがポイントとなります。主要な臓器周辺の解剖学的構造、特に術後の合併症予防・管理に関連する部位は、国家試験で頻繁に問われる論点です。
混同注意
選択肢が全て「〜孔」という名称で、いずれも人体の特定の部位の解剖学的構造を指すため、名前だけでは判断が難しいことがあります。特にマジャンディー孔、ルシュカ孔、モンロー孔は全て脳室系の孔であり、名称が似ていて混同しやすいため、それぞれの孔がどの臓器・部位にあるのかを正確に把握しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じような論点が出た場合は、まず問題が『どの臓器の手術か』『何のためのドレーンか』を正確に把握し、その臓器や合併症に関連する解剖学的部位に注目します。特に、腹腔内の各区画や間隙と、そこに貯留しやすい液体(血液、膵液、胆汁、膿など)の関連を問う問題に注意が必要です。脳室系の孔と腹腔内の孔を混同しないよう、基本的な解剖学の知識を再確認しましょう。
関連知識
膵頭十二指腸切除術後の主な合併症(膵液瘻、胆汁瘻、出血、感染など)、ドレナージの目的と種類(予防的ドレナージ、治療的ドレナージ)、腹腔内の主要な解剖学的腔(大網嚢、小網嚢)や間隙とその機能について理解しておくことが重要です。