抗菌薬について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
薬剤耐性菌の発生は、抗菌薬の不適切な使用により薬剤が無効になる現象であり、治療選択肢の減少、治療期間の延長、医療費の増大、死亡率の増加といった深刻な医療課題を引き起こしている。多剤耐性菌の出現は世界的な公衆衛生上の危機となっているため、抗菌薬の適正使用が強く求められている。
選択肢ごとの解説
- 1. 抗菌薬は細菌の増殖を抑制したり殺菌したりする薬剤であり、ウイルスには効果がない。ウイルス感染症には抗ウイルス薬が用いられる。正しくは:ウイルス感染症には効果がなく、細菌感染症に効果がある。選びやすい理由:「感染症を治す薬」という漠然とした認識から、ウイルス感染症にも効くと誤解しやすい。混同注意:抗菌薬と抗ウイルス薬を混同している。
- 2. 抗菌薬には内服薬も多く存在し、消化管から吸収されて全身に作用することで効果を発揮する。経口投与は外来治療や自己管理に用いられる主要な投与経路である。正しくは:内服でも効果が期待できる。選びやすい理由:重症感染症では点滴静注が用いられることが多いため、内服では効果がないと誤解することがある。混同注意:抗菌薬の投与経路や吸収機序に関する知識不足。
- 3. 正解。薬剤耐性菌の発生は、抗菌薬が効かなくなることで治療が困難になり、医療上の大きな問題となっている。不適切な抗菌薬の使用が耐性菌の選択・増殖を助長する。選びやすい理由:医療現場での具体的な課題として認識されており、正しい情報として選択しやすい。
- 4. 抗菌薬は病原菌だけでなく、ヒトの皮膚や腸管などに存在する常在菌にも影響を与えることがある。常在菌叢のバランスが崩れることで、下痢などの副作用や、他の病原菌の増殖を招くこともある。正しくは:体の常在菌にも影響を与える。選びやすい理由:抗菌薬が病原菌のみに選択的に作用すると誤解することがある。常在菌への影響は意識されにくい場合がある。混同注意:抗菌薬の選択毒性と、常在菌叢への影響を混同している。
国試ポイント
抗菌薬と抗ウイルス薬の違い、抗菌薬の作用機序、薬剤耐性菌の問題、抗菌薬の適正使用について理解する。
混同注意
抗菌薬と抗ウイルス薬、抗菌薬と消毒薬を混同しやすい。抗菌薬は細菌に、抗ウイルス薬はウイルスに作用し、消毒薬は生体外の微生物を殺滅・不活性化する。
次に同じ論点が出たら
抗菌薬の問題が出題された場合、「細菌」と「ウイルス」の区別、薬剤耐性菌の有無、適正使用の原則に注目して判断する。
関連知識
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)やVRSA(バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)などの代表的な薬剤耐性菌、抗菌薬の種類(β-ラクタム系、マクロライド系、ニューキノロン系など)、抗菌薬の副作用(下痢、肝機能障害、アレルギー反応など)、狭域スペクトル抗菌薬と広域スペクトル抗菌薬。