母乳栄養の児に不足しやすいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
新生児は腸内細菌叢が未熟であるため、ビタミンKの体内合成が十分に行われません。また、母乳中のビタミンK含有量も少ないため、母乳栄養児はビタミンK欠乏性出血症(VKDB)のリスクが高く、新生児期からのビタミンK製剤の計画的な投与が推奨されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 母乳中のビタミンAは、母親の栄養状態が良好であれば一般的に乳児の必要量を十分に満たしています。正しくは:母乳中のビタミンAは、乳児の成長に必要な量を満たしています。選びやすい理由:脂溶性ビタミンであるため、吸収の問題があるかと思い選ぶかもしれませんが、母乳中の量は適切です。混同注意:開発途上国など母親の栄養状態が不良な場合は不足することがありますが、日本の通常の状況では不足しにくいです。
- 2. 母乳には、多くのビタミンB群(B1、B2、B6、B12など)が適切に含まれており、乳児の必要量を満たしています。正しくは:母乳には、ビタミンB群が乳児の成長に必要な量を満たすように含まれています。選びやすい理由:水溶性ビタミンは不足しやすいイメージがあるかもしれませんが、母乳中の量は十分です。混同注意:特定の疾患や母親の厳格な菜食主義など特殊な条件下では不足のリスクがありますが、一般的な母乳栄養では問題ありません。
- 3. 母乳中のビタミンCは、母親の摂取量が十分であれば、乳児の必要量を満たす量が供給されます。正しくは:母乳中のビタミンCは、乳児の成長に必要な量を満たしています。選びやすい理由:水溶性ビタミンであるため、不足しやすいと考えるかもしれませんが、母乳中の量は適切です。混同注意:調乳ミルクでは熱によって失われやすいという特性がありますが、直接の母乳では心配ありません。
- 4. 母乳中のビタミンEは、乳児の必要量を満たすのに十分な量が含まれています。特にα-トコフェロールが豊富です。正しくは:母乳中のビタミンEは、乳児の成長に必要な量を満たしています。選びやすい理由:脂溶性ビタミンであるため、吸収の問題があるかと思い選ぶかもしれませんが、母乳中の量は適切です。混同注意:未熟児ではビタミンE欠乏性溶血性貧血のリスクがありますが、正期産児の母乳栄養では不足しにくいです。
- 5. 正解。母乳中のビタミンKは量が少なく、新生児は腸内細菌叢が未熟なため、ビタミンKを十分に合成できません。これにより、ビタミンK欠乏性出血症のリスクが高まるため、新生児期にはビタミンKの定期的な投与が推奨されます。
国試ポイント
母乳栄養のメリットだけでなく、デメリットや不足しやすい栄養素について理解しているかを問う問題です。特に新生児の生理的特徴と関連付けて、ビタミンK欠乏性出血症の予防が重要であることを把握しているかがポイントとなります。
混同注意
他の脂溶性ビタミン(A、D、E)や水溶性ビタミン(B群、C)と混同しやすいですが、新生児期に特に注意が必要なのはビタミンKです。ビタミンDも不足しやすいですが、この選択肢には含まれていません。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、母乳育児中の母親の食事指導、ビタミンDの不足と日光浴の推奨、新生児期以外でのビタミン欠乏症のリスク要因などを問う可能性があります。
関連知識
ビタミンK欠乏性出血症(VKDB)の病態と予防策、新生児の生理的特徴(腸内細菌叢の未熟性、肝機能の未熟性)、人工乳との栄養成分の比較、母乳育児のメリットとデメリット、ビタミンKの働き(血液凝固因子の活性化)、新生児へのビタミンK製剤投与のスケジュール(K2シロップなど)。