Broca〈ブローカ〉失語のある患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ブローカ失語症の患者は、言語の理解は比較的良好ですが、発話が困難という特徴があります。そのため、患者が「はい」や「いいえ」で答えられるような、発話負担の少ない質問形式を用いることで、円滑な意思疎通を図ることができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ブローカ失語症の患者は、発話の産生が困難ですが、理解力は比較的保たれています。そのため、「はい」や「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンは、患者の発話負担を減らし、意思表示を容易にする有効なコミュニケーション手段です。正しくは:この選択肢は適切です。選びやすい理由:一見すると簡単な単語を用いる方が良さそうに思えるが、発話そのものの困難さを考慮すると、より少ない言葉で意思表示できる方法が優先される。混同注意:開かれた質問(オープンクエスチョン)では、患者に複雑な発話を要求するため、ブローカ失語症の患者にとっては困難が伴う。
- 2. ブローカ失語症は聴覚の障害ではないため、声を大きくしても理解力が向上することはありません。むしろ、患者を威圧的に感じさせたり、不快感を与えたりする可能性があります。正しくは:声を大きくするのではなく、ゆっくりと明確な発音で話すことが重要です。選びやすい理由:相手が理解していないように見えると、無意識に声を大きくしがちである。混同注意:聴覚障害と失語症を混同している可能性がある。
- 3. ブローカ失語症の患者は、発話こそ困難ですが、単語レベルでの理解は比較的保たれており、文の構造も一定程度理解できます。単語のみで話しかけると、文脈が失われ、かえって理解を妨げる可能性があります。短く簡単な文を用いるのが適切です。正しくは:短く、簡潔な文で、ゆっくりと話すようにします。単語だけでなく、文脈を意識したコミュニケーションが重要です。選びやすい理由:患者の発話が単語レベルになることが多いため、こちらも単語で返すべきだと誤解しがちである。混同注意:患者の表出言語の困難さと、受信言語(理解)の能力を混同している可能性がある。
- 4. 文字盤は、話すことができない患者にとって有効なコミュニケーション手段となり得ますが、ブローカ失語症の患者は、書字障害(失書)を併発していることが多く、文字盤の使用も困難な場合があります。また、発話の努力を促すことも重要です。正しくは:文字盤の使用は、患者の状態を評価した上で検討するべき補助的な手段です。まず発話や指差しなど、他のコミュニケーション手段を優先的に試みます。選びやすい理由:発語が困難な場合、文字盤が代替手段として有用であると考えるのは自然である。混同注意:失語症の種類や重症度に関わらず、すべての発語困難な患者に文字盤が有効だと誤解している可能性がある。
国試ポイント
ブローカ失語症患者へのコミュニケーション方法について、疾患の特性(理解と表出の乖離)を理解しているかが問われています。特に、発話の困難さを考慮した質問形式の選択が重要です。
混同注意
ウェルニッケ失語症や全失語症との違いを理解していないと、コミュニケーション方法を誤る可能性があります。ブローカ失語症は理解は比較的良好だが発話が困難、ウェルニッケ失語症は発話は流暢だが内容がなく理解も困難という違いがあります。
次に同じ論点が出たら
患者の非言語的コミュニケーション(表情、身振り、指差しなど)にも注意を払い、これらの手がかりも活用しながら意思疎通を図る。
関連知識
失語症には、ブローカ失語症、ウェルニッケ失語症、全失語症、伝導失語症、超皮質性失語症など様々なタイプがあり、それぞれ症状とコミュニケーションのポイントが異なります。患者個々の残存機能と障害に応じたアプローチが求められます。