看護師のボディメカニクスで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ボディメカニクスでは、身体の安定性を高め、腰などへの負担を軽減するために、重心を低く保ち、支持基底面を広く取る、重心線が支持基底面内に収まるようにする、摩擦力を適切に利用するといった原則があります。特に、立位で支持基底面を広く取ることは、安定性を向上させ、様々な動作に安全に対応するための基本です。
選択肢ごとの解説
- 1. 重心が高いと不安定になりやすく、バランスを崩して転倒したり、腰に負担がかかったりするリスクが増大します。安定性を保つためには重心を低くする必要があります。正しくは:動作を行う際は、身体の重心を低い位置に保つようにします。選びやすい理由:重心を高くすることで動きやすくなると誤解する人がいるかもしれません。しかし、これは安定性を損なう行為です。混同注意:スポーツなどで瞬発力を出す際に一時的に重心を上げる動きと混同する可能性がありますが、看護師のボディメカニクスでは安定と安全が最優先です。
- 2. 正解。支持基底面を広く取ることで、身体の安定性が向上し、バランスが取りやすくなります。これにより、患者の移動介助などで大きな力を必要とする場面でも、自分の身体を安全に保ち、効率的に力を発揮できます。
- 3. 重心線が支持基底面の外側にあると、身体のバランスが保てず、転倒してしまいます。安定した状態を保つためには、重心線は常に支持基底面の内側に位置する必要があります。正しくは:重心線は支持基底面の内側に位置するようにします。選びやすい理由:支持基底面を広く取る、という考えと混同して、重心線の位置も外側が良いと勘違いするかもしれません。しかし、これは不安定な状態を招きます。混同注意:支持基底面を「広く」取るという原則と、重心線を「内側」に保つという原則を混同しやすいです。両者は安定性確保のために異なる役割を果たします。
- 4. 足底と床の間の摩擦力が小さいと、滑りやすくなり、バランスを崩して転倒する危険性が高まります。安全に動作を行うためには、十分な摩擦力を確保することが重要です。正しくは:足底と床の間の摩擦力を大きくするようにします。選びやすい理由:患者を移動させる際に「滑らせる」というイメージと混同する可能性がありますが、看護師自身の安定性とは別問題です。混同注意:移動介助で患者の身体を動かす際に「摩擦を減らす工夫」(例:スライディングシート)をすることと、看護師自身の「安定した姿勢」を保つための摩擦力とを混同する可能性があります。看護師自身の足元の摩擦は、滑らないために必要です。
国試ポイント
ボディメカニクスは、看護師自身の身体保護と、効率的かつ安全な患者ケアのために非常に重要な知識です。基本的な8原則を理解し、それが具体的にどのような動作や姿勢につながるかを問われることが多いです。「正しいのはどれか」「適切でないのはどれか」という形式で、各原則の具体的な適用例が選択肢として提示されます。特に、重心、支持基底面、重心線の関係、てこの原理、摩擦力の利用などは頻出です。
混同注意
身体の安定性と運動効率性に関する概念(例:てこの原理、重力)と混同しやすいです。特に、重心を低くする、支持基底面を広くする、重心線を支持基底面内に収める、という3つの原則は密接に関連しており、それぞれがどう安定性に寄与するかを正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次回ボディメカニクスについて問われた場合は、他の原則(重心を低くする、身体をひねらない、大きな筋肉を使う、対象を身体に近づけるなど)が、どのようにして身体の負担を軽減し、安定性や効率性を高めるのかに注目して判断する。特に「てこの原理」や「摩擦力」の具体的な活用法も確認する。
関連知識
ボディメカニクス8原則(重心を低くする、支持基底面を広くする、重心線を支持基底面内に保つ、てこの原理を利用する、対象を身体に近づける、ひねりの動作を避ける、大きな筋肉を使う、摩擦力を利用する)、患者介助における姿勢、腰痛予防。