静脈内注射を行う際に、必ず希釈して用いる注射液はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
高濃度の塩化カリウム製剤は、急速な静脈内投与や希釈不足により、心伝導系に影響を与え、致死的な不整脈や心停止を引き起こすリスクが非常に高いため、投与時には必ず適切な輸液で十分に希釈し、ゆっくりと点滴投与することが医療安全上厳守されています。これは医療事故防止の観点からも極めて重要な知識です。
選択肢ごとの解説
- 1. 5%ブドウ糖注射液は通常、そのままの濃度で点滴静脈内投与されます。希釈せずに直接投与することが一般的です。正しくは:5%ブドウ糖注射液は、輸液や薬剤の溶解液として、あるいは低血糖時の補液としてそのまま静脈内投与されます。選びやすい理由:ブドウ糖は体内でエネルギー源となるため、問題なく投与できると考えがちです。混同注意:他の高濃度電解質溶液と混同する可能性があります。
- 2. 正解。15%塩化カリウム注射液は高濃度であり、そのまま急速に静脈内投与すると、心臓に強い影響を及ぼし、心停止を含む重篤な副作用を引き起こす危険性があります。そのため、必ず適切な輸液で十分に希釈してから、ゆっくりと点滴静脈内投与する必要があります。
- 3. 0.9%塩化ナトリウム注射液(生理食塩水)は、細胞外液とほぼ等張であり、そのまま輸液や薬剤の溶解液として広く使用されます。通常、希釈の必要はありません。正しくは:0.9%塩化ナトリウム注射液は、脱水時の補液や薬剤溶解にそのまま静脈内投与されます。選びやすい理由:最も頻繁に使用される輸液の一つなので、安全性から希釈不要と判断しやすいです。混同注意:高濃度の電解質製剤と誤解する可能性があります。
- 4. 7%炭酸水素ナトリウム注射液は、酸塩基平衡異常の補正などに用いられますが、通常はそのまま、あるいは医師の指示により特定の濃度に希釈して投与されます。必ずしも投与前に"必ず希釈"が必要なわけではありません。正しくは:7%炭酸水素ナトリウム注射液は、特定の病態に対してそのまま、または特定の割合で希釈して静脈内投与されることがあります。選びやすい理由:高濃度であるため、希釈が必要だと誤解しやすいです。混同注意:カリウム製剤と同じく、電解質補正に用いられるため、高濃度電解質の一般的な注意事項と混同する可能性があります。
国試ポイント
静脈内注射における薬剤の安全な取り扱い、特に高濃度電解質製剤の危険性と適切な投与方法が問われています。単に薬剤名と濃度を覚えるだけでなく、その薬剤が持つリスクと、それを回避するための具体的な看護技術・知識が理解できているかが試されます。
混同注意
高濃度の電解質製剤(カリウム、マグネシウム、リン酸など)は、一般的にそのまま静脈内投与することは危険であり、必ず希釈が必要です。しかし、輸液製剤や一部の薬剤溶解液としてそのまま使用される等張液(生理食塩水、5%ブドウ糖など)との区別が曖昧になりがちです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず選択肢の薬剤が『高濃度の電解質製剤』であるかどうかを確認する。特にカリウム製剤は致死的なリスクが高いため、必ず希釈が必要であることを最優先に判断する。
関連知識
輸液の等張性、高張性、低張性の理解。電解質の体内における役割と異常時の影響(特にK+の心臓への影響)。医療安全管理の基本原則。薬剤の添付文書の確認と正しい投与経路・方法の遵守。