Ⅱ型アレルギーで起こる疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
II型アレルギーは、細胞膜や組織に存在する自己抗原に対して抗体(IgGやIgM)が結合し、その細胞や組織を障害する反応です。特発性血小板減少性紫斑病(ITP)では、血小板表面の糖タンパク質に対する自己抗体が産生され、抗体が結合した血小板が網内系細胞(特に脾臓のマクロファージ)によって破壊されることで血小板数が減少し、出血傾向をきたします。この機序がII型アレルギーの典型例として挙げられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 糸球体腎炎は様々な原因で発症しますが、多くの場合、免疫複合体型アレルギー(III型アレルギー)や遅延型アレルギー(IV型アレルギー)が関与します。例えば、A群溶血性レンサ球菌感染後急性糸球体腎炎はIII型、ループス腎炎もIII型が主体です。抗糸球体基底膜抗体病のような特定の病態はII型に分類されますが、「糸球体腎炎」と総称される場合はII型とは限りません。正しくは:特定の型の糸球体腎炎(例:抗糸球体基底膜抗体病)であればII型アレルギーに該当します。選びやすい理由:免疫系の異常が関わる疾患であるため、アレルギーの一種であるII型アレルギーと結びつけやすいかもしれません。また、一部の希少な糸球体腎炎は実際にII型アレルギーの機序を持ちます。混同注意:III型アレルギー(免疫複合体型)による糸球体腎炎と混同しやすいです。
- 2. 関節リウマチは、自己免疫疾患であり、主に遅延型アレルギー(IV型アレルギー)の機序が中心となります。T細胞が滑膜細胞を攻撃することで炎症を引き起こし、また、免疫複合体(III型アレルギー)の関与も指摘されていますが、細胞表面の抗原に対する抗体反応を主とするII型アレルギーとは異なります。正しくは:関節リウマチは主にIV型アレルギー(遅延型)およびIII型アレルギー(免疫複合体型)が関与します。選びやすい理由:自己免疫疾患であるため、アレルギーと関連が深いと考えがちです。混同注意:IV型アレルギー(T細胞性)やIII型アレルギー(免疫複合体)と混同しやすいです。
- 3. アトピー性皮膚炎は、即時型アレルギー(I型アレルギー)の代表的な疾患の一つです。IgE抗体が関与し、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されることで皮膚の炎症や痒みを引き起こします。T細胞の関与(IV型)も指摘されますが、II型アレルギーの機序とは異なります。正しくは:アトピー性皮膚炎はI型アレルギー(即時型)が主に関与します。選びやすい理由:アレルギーという名称から、何らかのアレルギー反応であると考えるのは正しいですが、型を特定する必要があります。混同注意:I型アレルギー(IgEを介する即時型)と混同しやすいです。
- 4. アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンによって引き起こされる即時型アレルギー(I型アレルギー)です。肥満細胞から放出されるヒスタミンなどが結膜の炎症症状を招きます。IgE抗体が関与する反応であり、II型アレルギーの機序とは異なります。正しくは:アレルギー性結膜炎はI型アレルギー(即時型)の疾患です。選びやすい理由:疾患名に「アレルギー」とあるため、アレルギー反応であることは正しいですが、型を誤解しやすいです。混同注意:I型アレルギー(IgEを介する即時型)と混同しやすいです。
- 5. 正解。特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、自己抗体(主にIgG)が自身の血小板表面抗原に結合し、抗体で覆われた血小板が脾臓などで破壊されることで血小板が減少する疾患です。これは、細胞表面に存在する抗原に抗体が結合し、その細胞を障害するII型アレルギー(細胞障害型アレルギー)の典型的なメカニズムです。選びやすい理由:疾患名からアレルギーであると断定しにくいかもしれませんが、自己免疫疾患の一種であり、免疫反応が関与しているため、アレルギーの範疇に含まれます。
国試ポイント
アレルギーの各型(I〜IV型)の分類と、それぞれの型に属する代表的な疾患を正確に理解しているかを問う問題です。特にII型アレルギーは、細胞表面抗原に対する抗体結合による細胞破壊が特徴であり、その代表例を把握しておくことが重要です。
混同注意
各アレルギー型の具体的な疾患例が混同されやすいです。特にI型とII型、またはII型とIII型のように機序が異なるが症状が類似する疾患で迷うことがあります。自己免疫疾患全般を漠然と捉えていると、アレルギーの型を特定するのが難しい場合があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まずアレルギーの各型(I〜IV)の基本的な機序(関与する免疫細胞、抗体、反応時間など)を思い出し、その機序に合致する代表的な疾患名を正確に結びつけられるかを確認してください。特に、II型アレルギーにおいては、自己細胞の表面抗原に抗体が結合し、細胞が破壊されるという病態をイメージできるかが鍵となります。
関連知識
I型アレルギー(即時型):IgE抗体、肥満細胞、ヒスタミン、アナフィラキシー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹。III型アレルギー(免疫複合体型):IgG/IgM抗体、免疫複合体、血管炎、糸球体腎炎(一部)、全身性エリテマトーデス。IV型アレルギー(遅延型):T細胞、マクロファージ、ツベルクリン反応、接触皮膚炎、臓器移植の拒絶反応、関節リウマチ。